2018年度春学期留学生別科修了式 式辞

今日、ここに、2018年度桜美林大学日本言語文化学院の修了式を挙行するにあたり、修了生の皆さんの卒業を心からお祝い致します。また、皆さんがこの晴れの日を迎えられたことを、今日の式典にご参列のご家族の皆様と一緒に喜びたいと思います。

 

留学生の皆さんは、言葉や文化、生活様式の違いを乗り越えて今日の修了式を迎えることができましたが、日本言語文化学院の先生方も、授業やキャンパス生活を通して皆さんを熱心に指導してくれました。皆さんの懸命な学び、先生方の真摯な働きに敬意を表し、慰労するとともに、改めて感謝の気持ちを表したいと思います。

 

さて、ほとんどのみなさんはこれから大学や大学院に進学し、高等教育としての本格的な学修を始めると思います。自分の国や自分の母語で教育を受けるのではなく、外国の大学で、外国語で学ぶということは、かなりハードルが高いことにチャレンジすることになります。大学や大学院で学ぶ学術的な内容は、母語で学んでも難しいのですが、それに外国語で挑戦するわけですから、皆さんの意志と努力は並大抵のことではありません。

 

しかしその困難を乗り越えて、成し遂げた暁にはまた、新たな世界が開けると思います。というのも大学留学は、特定の学術を修めることに加えて、異文化社会における多様な価値観も同時に学べるからです。その国際的な経験は皆さんに、多様性やグローバルな視野、柔軟性を与えてくれるのです。今の時代は、情報や交通のインフラが整っており、すべてのものが国や地域を越えて流通します。また、環境破壊や貧困など、地球規模で考えなければならない課題も指摘されています。さらに、AIと呼ばれる人工知能や、物がインターネットでつながるIoT、そしてビッグデータを解析するアプリケーションもたくさん開発され、人間が考えて行動する様式に、ロボットや機械が近づいている時代に入っています。

 

グローバル化とテクノロジーの発展が目覚しい時代には、新しい技術やグローバルな視野を持つことがかなり重要になるわけですので、そのような時に、外国の大学に留学して学術を修めることは、非常に有益なことだと思います。その意味では、皆さんはとても恵まれています。桜美林大学の日本言語文化学院で勉強したことが基礎となって、これからみなさんが様々な場所で活躍していけることを心から応援するとともに、大きな希望と期待を、皆さんと一緒に持ちたいと思います。頑張ってください。これをもって私の祝辞といたします。ありがとうございました。

© HIROAKI H. HATAYAMA 2018