2018年度春学期留学生別科入学式 式辞

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歓迎の言葉

桜美林大学

学長  畑 山 浩 昭

留学生のみなさん、入学おめでとうございます。母国を離れ、日本で生活しながら勉強する決意をした皆さんに敬意を表すとともに、心から歓迎したいと思います。桜美林大学は国際的な大学で、留学生がたくさん学んでいます。日本言語文化学院(留学生別科)で一生懸命勉強して、桜美林大学や他の大学、大学院に入学した先輩も数多くいます。みなさんもこれから頑張って、自分の夢や希望を実現してください。私たちも皆さんの勉学や生活を支援していきます。

 外国で外国語を勉強することは誰にとっても大きなチャレンジですが、その言語を修得するとその人の人生において多様、多彩な道が開けることになります。皆さんもこれから日本語を勉強しますが、単語や文法を覚えたり、会話の中で聞いたり話したりしているうちに、ことばによって形になっている日本の文化や歴史、思想や価値観、さらに、人間関係や社会の姿まで学ぶことになるでしょう。そして、自分の母語や国家、社会や文化との比較をしながらいろんなことが異なることに気づき、人間にとって何が大事なのか、社会はどのようになれば皆が幸せになれるのかなど、だんだんと普遍的な思いを抱くようになるでしょう。外国語を学べば学ぶほど、人類共通の価値を見出すことにつながっていくのです。

 現代は国や民族を超えて、人類共通の課題や問題がたくさんあります。情報ネットワークや科学技術が進歩して、世界をつなぐコミュニケーションは活発になりましたが、その一方で、グローバリゼーションの荒波に出くわして、自分たちの利益や権利を守ろうとする動きも世界各地で見られるようになっています。国の代表者たちが、対話の前に対話自体を拒否するような国際的な場面が報道されることさえあります。これからもっと豊かでもっと平和な国際社会を作っていくためには、外国語を学びつつ、人類共通の課題に取り組むことを意識した勉強が必要になります。その意味で、皆さんはちょうど今、日本で勉強できる素晴らしい機会を与えられたのです。ぜひこの貴重な機会に感謝し、国際社会に貢献できるような人物になれるように頑張って欲しいと思います。

 桜美林には「学而事人」という言葉があります。学んだことを他者のため、社会のために還元することによって、人を支え、人に支えられる豊かな社会が実現できるという思想を表しています。ぜひ、桜美林の留学生別科で学ぶ皆さんにも、将来は学而事人をグローバルに実践できる人になってもらいたいと思います。ともに頑張りましょう。

© HIROAKI H. HATAYAMA 2018