国公私立の大学の学長が集うセミナーに参加してきました。
今、大学の経営に関係する最も重要な要素は、「18歳人口」「留学生」「社会人」という学部の学生や大学院生の候補となる人々です。これらの要素の中で大学が気にするのは、高等学校卒業生の大学進学率、留学生の動向、そして社会人のリカレント教育への関心などです。
これらを取り巻く外部環境は、経済、社会、政治政策、文化における変化です。
別の経営的な観点では、これらの教育を行うための「財源」の確保です。学費、奨学金、助成金、寄付金などを基盤として、限りある財源を工面しながら学生を十分に確保し、独立した大学として教育研究を遂行していくことです。
しかし、今、これが成り立ちそうもないので、日本の大学界の危機と言われ続けているわけです。強烈な魅力や強い経営基盤がない大学は、今後は経営が難しくなるだろうという警告が発せられています。
では、どうするか。
研修会でのいくつかの声を恣意的に拾うと、
・それぞれの大学が「社会的に価値を認められる個性的な教育研究」を提供すること。
・学生は国内のみならず国外にもいることを認識し、「グローバルに通用する大学」になること。
・「財源」を確保する様々な手段を確立すること。
などが心に残りました。
自分たちのこれまでの伝統や特色、強みやリソースを活かして、自他共に効果を実感できる教育研究を行うことが肝要で、個人の成長や社会の発展に対して可能な限りの貢献を継続することです。その実践が次の時代にも残る大学になるのだろうと思います。
やはり、「世界から人が集まる大学」になるためには何をすべきかというシンプルな問いに、ヒントがあると思っています。