職員研修会

6月20日(木曜日)の職員研修会にて

私たちは普段、法律や規則に従って生きています。集団生活を営む場合は、秩序を保つための法や規則に則る方が楽なので、ひとつの人間の知恵だと思います。

ただ、単にそのような規則に従って生きるだけだと、言動がその中で合っているか合っていないかだけの生き方になり、問題や課題も多く、ましてや「生きがい」などは得られません。

やはり、自分の考え方や行動の軸になるような人生観、人生哲学を持つべきだと思います。宗教でもいいし、哲学でもいいし、自分なりの価値基準でもいいと思います。「オレはロック魂で生きる」でも「聖書に基づいて生きる」でも「プラトンの思想で生きる」でもいいんです。何か、日々出くわす様々な出来事を「照らし合わせて自分の言動を判断できる基準」を持つと、生き方が楽になり、ブレることなく生きていけると思います。

ひとつの信念といってもいいです。人生観に頼って生きる、みたいな。過去は変えられないし、将来はわからないのだから、今を懸命に生きる、とか。

それから他人に何か嫌なことを言われた時に、どのように対処するかによって、自分の成長度合いが変わってきます。もちろん、嫌なことを言ってくるその人が、そのまま、嫌な人になるわけですが、ちょっと発想を変えて、何かが、誰かが、その人の口を使って、自分に嫌なことを言わせてると考えると、そのタイミングで自分にそれを聞かせる理由があるのではないかと思えるようになります。

嫌なことを聞いた自分が、それを乗り越えるためのチャンスを与えられていると捉えて、クリアーするために頑張ること。そして、乗り越えられたことでまた、一つ、成長するということ。

そんなふうに考えれば、起こることはすべて、いいことも悪いことも、自分の更なる成長のための機会だと考えられると思います。それらのチャンスを乗り越えるごとに、より大きく、強く、深く、賢くなっていく自分を実感できると。

その先には、新しい仕事が待っているわけですが、いろんな仕事の対価としての報酬も考えればいいでしょう。報酬の基本は、その仕事に費やす時間と、その仕事を遂行するための自分の能力と、その仕事の責任が、対価だと思います。

ボーナスなんかは、労力と結果に対する対価だと思いますが。

なので、報酬を上げようと思ったら、より大きく責任ある仕事を担当できるように、能力を上げて、時間を費やし、責任を取れるようにメンタルを鍛えることが必要ですね。経験を通して、強く、大きく、深く、賢くなれるでしょう。勉強もしないとね。

よく、本屋で、ビジネスに関するマネジメントやアドミニストレーションの本が出ていますが、流行りは、フレームワークだと思います。ビジネスのツールとして、かなり多くのフレームワークが紹介されており、コンサル的な仕事にも使われますよね。

ただ、現場を預かっている皆さんの場合、既存のフレームワークでなくても、自分でフレームワークを作れると思います。要は、その仕事をその仕事として成り立たせている要素は何かを考え、それを構造化し、その構造のなかで目的を達成するために、戦略と戦術を考えればいいわけです。新しい要素を入れ込むと、それまでなかったような隙間を発見し、イノベーションが起こることも可能性としてはありますので、自分の頭で考えることが重要です。

基本は、原因と結果とか相関とか、個々の要素の定義や機能、全体の中における要素間の関係性を熟考していけば、道は開けると思います。問題解決のためのエンジニアリングのようなものです。

さらに、人間の理解に興味を持つことです。人間の欲求や、言動、動機や意図、そして、コミュニケーションを手掛かりとする心理的な読解など、主に、心理学、言語学、文学などを学ぶことがいいかと思います。

あとは、学校法人の経営がどのようにして成り立つかを、法的、ビジネス的に理解することです。

結局は、政治(異なる思想や価値観同士の人間集団の調停)、経済(需要と供給がバランスをとる市場の理解)、歴史(物事がどのように始まり、どのように展開し、どのように結末を迎えるかを原因と結果で考察する方法)、心理(人間の論理思考と感情のダイナミズム)、哲学や宗教(生き方、人生観の思想)、数理(数による現象の把握)、言語(記号媒体と解釈の仕組み)、文学(葛藤と対応)、社会(集団の価値と個々人の反応)、芸術(感覚の表象)などを、しっかり勉強することです!


以上


© HIROAKI H. HATAYAMA 2018