校友会の発足

校友会の発足を祝して

 

学 長

畑 山 浩 昭

 

今年4月に学長に就任しました畑山です。どうぞよろしくお願いいたします。

 私は大学というものに縁があるのか、桜美林大学を含め4つの大学で学ぶ機会を与えられました。そして今もこうして大学に勤めています。今年56歳になりますが「大学」と名がつく場所にいた年数を計算しましたら、もうすでに30年になるようです。自分でも驚きます。

 これらの大学からは卒業生ということで、今でも定期的に連絡を頂きます。メールでの挨拶が来たり、広報誌が届いたり、寄付のお願いが来たり、イベントへの招待があったりします。そして何よりもそれぞれの大学で出会った友人がおり、今でも連絡を取り合って食事に行ったりします。昔はなんてことはないネットワークだと思っていましたが、年を重ねるにつれて、大学を拠点とする人的ネットワークが、いろんな意味で重要な意味を持ち、そして豊かな人生につながるようになったと感じています。

 それは何だろうかと思っていたのですが、同じ大学で学んだ経験、共に過ごした日々の延長線上に自分たちの関係があるので、卒業後、友人達が異なる道に進んでも、それぞれの道における学びや経験をまた気軽に共有できるのです。私自身は教育機関から一歩も出たことがない世間知らずの男ですが、大学時代の友人との関わりを通して、企業や産業、行政や司法、医療や福祉などについて具体的な話を聞き、いろいろなことを知ることができます。お互いの苦労や悩み、喜びや悲しみも、親身になって共有できます。その意味では、大学のネットワークは、大きな家族のように思えます。外に出るけど、いつでも戻って話せる場所のような感じです。

 今、桜美林大学で、学生さんたちの学生生活の様々な場面を見ることができます。笑ったり、泣いたり、怒ったりして大学時代を一生懸命作っているようにも思えます。せっかく縁があって、桜美林に来てくれた学生さんですから、教職員も最大限、学生さんたちの成長を支える努力を行っています。そしてそのような活動のまとめが、卒業という区切りにつながっていきます。ですから自分の卒業は、友人や教職員との多様な活動で成り立っており、また、それが大学時代の思い出となるわけです。

 今回、大学の在籍学生や卒業生のために「校友会」を立ち上げました。同じ時間や場所を桜美林大学で過ごした人々が、校友会という大きなネットワーク、大きな家族でつながり、これが長い人生の中できっと重要な役割を果たしてくれると思っています。大学時代は出会わなかった人とも、校友会で出会うということもあるでしょう。また、卒業しても、いつでも帰って学べる場所としても機能するでしょう。また、暖かく迎えてくれる空間にもなるでしょう。校友会の立ち上げを、私も卒業生の一人として、大変嬉しく思います。

 私が学生時代の桜美林は、懐が深く、寛容で、誰にでも優しくて、でも勉強や倫理には厳しくて、簡単には夢をあきらめさせないというイメージがありました。皆さんにとっての桜美林はどうですか?これからは桜美林大学の校友会が、皆さんの背中を支えてくれるだろうと期待しています。

© HIROAKI H. HATAYAMA 2018