形式に頼るとそれ以上の力は生み出せない

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ここのところ、いくつかの会議に連続して出席しました。私立大学関係の会議、自治体の会議、テクノロジーの会議、国際会議などです。

そのような会議での議論に耳を傾けていて思うことは、わたしたちが形式を非常に重んじていることです。教育も研究も経営も。決まった形式を踏襲する中でしか、新しいアイデアが出てこないのです。

効果や結果を出すためにはどうしたらいいか、という議論ではなく、このようにしなければならないことになっているが、その中でどのようなことができるだろうか、という言論が続くのです。

形式に頼るということは、同じようなパターンで取り組めばいいわけなので、大きな失敗もなく、つつがなく、仕事を進めることができますが、それ以上の結果は出せません。

でも、より大きな結果や、これまでにない新しい効果を出すためには、その形式を変えるか壊すかして、一種のリスクを負ってでも乗り越えていこうとしない限りは、望めないと思います。

また、リスクは適切なマネジメントによって最大限回避できるので、長く続けてきた形式が通用しなくなっている場合は、一歩踏み出して、変えていく勇気が必要です。

国も自治体も個々の大学も、これまでの形式や基準や方針や政策だけにとらわれることなく、理想の結果を出すためには何をどのように組み合わせれば可能となるか、プラグマティックな発想で、考えることが必要だと思います。

何事でも最初はそうやって進歩、進化してきたわけですから。初心が大事です。

© HIROAKI H. HATAYAMA 2018