入学を祝して
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。みなさんの入学を心から歓迎します。また、保護者の皆様にもお祝いを申し上げます。今日の日を共に喜びたいと思います。
2020年。この激動の年に入学する皆さんに対して特別な思いを抱かずにはいられません。国内外における新型コロナウィルス感染症の拡大を受けて、数多くの社会的なイベントが自粛されました。本学の入学式も開催を断念せざるを得ませんでした。皆さんの多くはこの混沌とした時期に高校を卒業し、複雑な思いのままで春を迎えたことでしょう。
しかしそれでも今日、こうしてみなさんを桜美林大学に迎えることができて本当に嬉しく思います。ここ数ヶ月、私たち大学も様々な困難に直面してきましたが、教職員が一丸となって皆さんを受け入れる環境を整えてきました。
やはり、皆さんは特別だと思っています。こんなにも予定が変わってしまう不規則で不安定な日々を強いられながらも、今、ここにきちんと立って、新しい大学生活を始められるのです。お互いに喜びと感謝をもって、新たな気持ちで大きな第一歩を踏み出してほしいと思います。
桜美林大学の創立者は清水安三先生です。清水先生は、深い愛情をもって人と接し、強固な精神によって平和を追求する人でした。また、大きな夢をあきらめない人でした。その生涯の仕事は、学校であり、教育でした。1917年に牧師として中国に渡り、学校を作って貧しい人々の自立を助けながら、自分自身もアメリカの大学で学びました。
教育の力によって個人や社会を変えた人でした。多様な価値観や人間性を受け入れられる、豊かな共生社会の実現に力を尽くしました。その清水安三先生から始まった、長い歴史と伝統の中で育まれた価値観は、現在の桜美林大学の教育にも色濃く反映されています。教育によって、個人が変わり、社会が変わり、世界が動くのです。
キリスト教主義教育による倫理観の育成、それから、国際的でグローバルな視野を重要視する教育と研究、そして何よりも、学生一人ひとりの主体的な学修を支援する校風が、大学全体に根付いています。そして、皆さんがこれから学生生活をおくる各キャンパスでは、それぞれの学群や大学院が、特色ある独自性の高い教育研究を展開しようと、日々、様々な取り組みが行われています。個性豊かな教授陣や先輩たちが、そこで皆さんを待っています。ぜひ、皆さん自身も自分の個性を全力でぶつけてください。桜美林らしいユニークな人物に成長してほしいと願っています。
清水安三先生が最初に学校を創立した年から数えると、桜美林学園は来年、100周年を迎えます。皆さんは本当に、特別な時に桜美林大学に入学しました。共に祝い、共に喜び、共に学びましょう。改めまして、入学本当におめでとう。皆さんのこれからの活躍を本当に楽しみにしています。これをもってお祝いの言葉といたします。ありがとうございました。