【活動報告】綾瀬市で小学生にワークショップを実施しました(2023/5/27)

神奈川県綾瀬市で小学4~6年生を対象としたワークショップを実施しました。私たち草の根プロジェクトが蓄積してきたチエ・ワザを存分に活かし、ハンズ・オン教材として公開しているモノを組み込んだ体験を通じて楽しく学ぶクラスです。

今回の現場である綾瀬市は、同市内の米軍厚木基地(正式名称:厚木海軍飛行場) と連携し、「あやせっ子日米交流事業」に取り組んでいます。同市在住の小学4~6年生の希望児童が「あやせフレンドシップキッズ」 (以下、キッズ)となり、 基地内に暮らすさまざまな人との交流を目指す同市の活動です。桜美林草の根国際理解教育支援プロジェクトは、 キッズの交流前学習(以下、キッズ研修)を講師として企画・実施しています。また、同市こども未来課のみなさんへ事業全体にわたってアドバイスさせていただくことで、同事業を全面的に応援しています。

「あやせフレンドシップキッズ」新たな試み

3年目の 「あやせフレンドシップキッズ」は新たな試みからスタートです。私たち草の根プロジェクトの発案企画「なにができるの?『あやせフレンドシップキッズ』体験ワークショップ」を5月27日(土)に実施しました。今年度のキッズ募集にあわせ、同事業に関心のある子どもたち(小学4・5・6年生)を対象に、私たちの担当するキッズ研修の体験学習会を開きました。

(右)2022年度あやせフレンドシップキッズによる活動報告ポスター
(左)「あやせフレンドシップキッズ」体験ワークショップのプログラム

持続可能な教育事業・まちづくりをめざして

社会が新しいステージに進むなかで、同事業も次のステップに進む段階にあります。コロナ禍によってさまざまな障壁があるために、思うようにできなかった綾瀬市・米軍基地の連携協力も、2023年度からはいよいよ本格的に対面型の活動が始められるのではないでしょうか。また、市民のみなさんも徐々にさまざまな体験活動へと一歩を踏み出していくことが考えられます。

そのようななかで、同市の「あやせフレンドシップキッズ」は、どのようなねらい(教育的意図・意義)があり、誰に何がもたらされるのか(教育的成果)を整理・明確化していくことが求められるのではないかと思います。さらに、課題や目標を見出し、それにむかって歩みを進めることが、持続可能な教育事業・まちづくりの取り組みとして同事業が継続・発展していくカギとなるのではないかと思います。当然のことながら、同事業に携わっている草の根プロジェクトも提供する学びをブラッシュアップしつづけなければなりません。

学びの種を芽吹かせる

今回の体験ワークショップのねらいとは何か。それは、より多くの子どもや保護者、あるいは市民にこの活動をひろく発信し、知ってもらうことです。「私もキッズになりたい、やってみたい!」という子どもたちを増やすこと、「うちの子にもこんな体験させたい」という保護者の関心の輪をひろげることです。「あやせフレンドシップキッズ」とは、綾瀬市だからこそできる学びです。学校や家庭での学び、あるいは習い事では得られないものがあります。

講義と身体や手を動かし、コミュニケーションしながら取り組むアクティビティを組み込むワークショップ形式の活動で今ここでしか得られない学びをつくり出します。

そのためには、とにかく、情報の発信です。市の広報誌やホームページなど、あらゆるお知らせや情報が日々公開されます。そのなかで、キッズ対象となる子ども・保護者へ情報が届かなければなりません。あやせフレンドシップキッズの活動がどんなものか、どんな魅力があるのかをいかに届けるかということが重要です。そうでなければ、「やってみたい!」という気持ちは起こりません。この「~たい!」という自らのなかから湧き出るものこそ人間が学び育つ原動力です。

学びの種を芽吹かせるものは私たちの身のまわりにあふれていますが、それに気づくことはなかなかできないものです。そんな日々の暮らしに舞い込んでくる「なにこれ?なんだろう?」「なんか気になるな」「見たい、ふれたい、行ってみたい」と思わせる些細な情報です。それが学びの種を芽吹かせる大きなきっかけとなるものです。

そこで、今年度のキッズ募集の記事内容や広報宣伝の形態・方法、また今回試みた体験ワークショップの広報宣伝について具体的な助言・提案をさせていただき、こども未来課のみなさんとともに準備を進めてきました。

キッズの学び育ちの継続的支援

この企画のもうひとつのねらいとして、昨年度のフレンドシップキッズを経験した児童の学び育ちを継続して支援するということがあります。キッズの活動は8月から3月まででの半年以上に及びました。私たちの研修や基地内の人たちとの交流などさまざまな体験をしたキッズたちが、自分たちの経験と学びをしっかり見つめ、「こんなにいっぱいチャレンジしたんだ!」「私もみんなも頑張ったね」とふりかえって認めること、自信や誇りを持つことを期待しています。

昨年度末の最後のキッズ研修で学びのあしあとをポスターという目に見える形にし、市役所内に掲示し、ひろく市民のみなさんに発信してきました。それを礎に、今回の体験ワークショップを彼らによる活動紹介・報告の機会としたいと考えました。私たちの呼びかけに昨年度のキッズのなかから4名の子どもたちが集結。心に残っている経験や出来事、キッズ活動を通じて得た気づきや学びを堂々と語ってくれました。また、体験ワークショップのなかでは、リーダーとして参加した子どもたちをさりげなくサポートする積極的であたたかい姿が随所に見られました。

エデュケーターとともに参加者とむきあう先輩キッズたち

さらに実りある学びづくりを

昨年度出会ったころは、緊張や不安で表情がかたくおとなしかったり、恥ずかしくて大きな声で話すことできなかったり、自由にマイペースにふるまっていたりした子たちですが、数カ月ぶりに再会した今回、当時を思い返すと見違えるほど大きく成長していました。小学生の1年間の変容は実に大きなものです。そのような発達段階にあやせフレンドシップキッズでさまざまな体験をすることは、非常に大きな影響を与えるのだということを、再会したキッズ児童の姿から再認識しました。同時に、綾瀬市のこどもたちに豊かな学びがもたらされるようより一層頑張らなくては、と思いを強く持つことができました。

最後に、今回、私たちからの提案を快く受け入れ、実施に向けてご尽力くださった同市こども未来課のみなさん、広報宣伝など情報発信にご理解・ご協力くださった関係者のみなさんに心より感謝申し上げます。そして、この体験ワークショップに参加してくれた子どもたちと保護者のみなさん、ありがとうございました。キッズ募集を開始して、あっという間に定員を大幅に上回る参加希望をいただいているとうかがい、嬉しく思います。情報をキャッチして関心をお寄せいただいたすべてのご家庭へ感謝の気持ちをお伝えします。この夏(あるいは別の機会で)お会いできることを楽しみにしています。

あやせフレンドシップキッズにおけるこれまでの活動報告