【報告】2019年12月21日(土)町田市子どもセンターただONで世界の遊びと衣装の出張博物館を開催しました

草の根プロジェクトの「世界の遊びと衣装の出張博物館」は、訪れる人それぞれが思い思いに楽しむことができ、それぞれにもたらされる学びがあります。「ユニバーサル・ミュージアム」のようなところです。そんな出張博物館を開催したのは、町田市子どもセンター「ただON」です。こちらは、桜美林大学近隣地区の子どもたちやその保護者が利用する児童館です。同館での出張博物館は、ここ数年、年に2回ほど開催しています。

短時間濃縮!親子で楽しむ近所の体験型博物館!?

告知チラシ

2019年も残り10日というこの時期の開催は初めてのこと。「どれくらいの人が訪れてくれるだろうか」と思いながら、エデュケーター2人でただONに向かいました。館からは子どもたちの元気いっぱいの声が響き渡り、建物の外にまで聞こえてきます。そして、小学生たちはもちろんですが、中高生ほどの大きな子どもたちもいれば、幼い未就学児・乳幼児を連れた保護者の姿も多く見られます。「今日はおおいににぎわいそうだ」そんな予感は的中しました。午後2時半から夕方4時までの1時間半という短時間開催でしたが、保護者もふくめて50名を超える来場者がありました。エデュケーターが会場で設営作業をしているときからずっとその様子を見つめ、出張博物館のオープンを待ちきれず急かすような子どもたちも。この日を楽しみにしてくれていた子どもたちです。それを見たほかの子どもたちがさらに集まり、いつしか開場待ちの列ができたほどです。オープンとともに子どもたちはみな目を輝かせ、会場前から体験しようと考えていたこまやけん玉、民族服や帽子へそれぞれまっしぐらです。

世界の民族服を着てトルコのコマを楽しむこどもたち

また、知らずに来館した幼い子どもを持つお母さんたちの姿も多く目にとまりました。思いがけず出会った異文化にあふれた出張博物館を「ママ友連携プレー」で知らせ合い、あっという間にたくさんの親子が大集合です!自分やお友だちのきょうだい、年上の子が自分より幼い子を、自分の子もよその子も、子どもも親も互いに面倒をみあって共に楽しんでいました。「ちょっと昔はあちこちにこんな風景があったなぁ」そんなことを考えている余裕もないほど、1時間半の開催時間は大盛況のうちに終了しました。

世界各国のけんだま

児童館という場における出張博物館の学び

日々刻々と変化する幼い乳幼児、体も心も大きく成長・発達する児童・生徒、大人への入口が近づいてきた10代後半の子どもたち。児童館を利用できるすべての子どもたちが思い思いに、さまざまな遊び道具を自分の手で楽しむことができます。また、保護者のみなさんにとっても、親として家族として子どもを育み、自身も子どもと楽しみながら成長する場・機会となることでしょう。年齢や立場はもちろん、言語や文化などの多様性も問いません。誰もが自分の目で本物を見て、自分の手で本物に触れ、親子や家族で言葉を交わし、手を取り合いながら、たくさんの「未知」や「異」に出会い、さまざまな発見や感動を共有する場・機会。それが、私たち草の根プロジェクトの出張博物館です。

ドイツの「へび」を動かすコマに挑戦する男の子

うれしい再会から考えること

そして、今回も大変嬉しい出来事がありました。この夏、町田市立図師小学校の「ずしっ子いいとも」(町田市放課後等子ども遊び場見守り事業「まちとも」) で開催したワークショップに参加した子どもとの再会です。エデュケーターの顔をじっとのぞきこむ子がいました。エデュケーターが小学校を訪ねてみたところ、「夏休みに私たちのところに来てくれた!」というのです。そのときに作ったインドのすごろくは、今でも大切に家で遊んでいるそうです。 たった1日、短い時間であるのに、私たち草の根プロジェクトでの体験は子どもたちの心の中に確かに刻まれているということを、大変喜ばしく思いました。それだけ感受性が強く育つ子どもたちの「今」は今しかなく、かけがえのない時間です。その「今」の積み重ねで人は成長します。再会を嬉しく思うと同時に、子どもたちの貴重な時間に携わるということの重みを改めて考え、心が引き締まりました。

今後も桜美林学園・大学を支えてくださる地域社会のさまざまな現場のみなさんと協力・連携し、出張博物館をはじめ、各種アウトリーチ教育の取り組みに励んでまいります。年齢・性別、言語・文化的背景、立場などを超え、多様で楽しい学びの場・機会が提供できらと考えています。

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