【報告】2019年12月20日(金)に博物館教育論で世界の実物体験ワークショッププログラムを実施しました

12月20日(金)の2時限に博物館教育論(ご担当:石渡尊子先生)で本プロジェクトが世界の実物体験ワークショッププログラムを実施しました。今回はワークショップの全体的な流れを追いつつ、活動の一端をご紹介します。

さて、博物館には以下4つの機能があるということをご存知でしょうか。

  • 資料の収集・保管
  • 調査研究
  • 展示
  • 教育普及

この科目では、これらのうち博物館の「教育普及」に焦点をあて、博物館における教育活動や博物館と学校教育とが連携した取り組みである「博学連携」等を学びます。本プロジェクトは、収集した世界各国の実物資料を活用した教育活動を、現場に応じたさまざまな形で提供することによって学内外の教育に貢献しています。この日の授業では、こうした事業に取り組む本プロジェクトを一つの博物館と見立て、学内における博学連携の取り組みとして捉えます。このワークショップの目的は、博物館教育論の履修生たちにとって、草の根プロジェクトが具体的な事例として学びの素材とすることにあります。

当日の配布資料から。多様な教育現場と本プロジェクト、アウトリーチ教育プログラムのつながりを表しています。

前半は本プロジェクトに関する基本的な知識として、保有する3つのリソースやそれらを活用して行なっている5つのアウトリーチ教育プログラムを紹介しました。続いてアウトリーチ教育プログラムのうち実物資料を活用するワークショッププログラムを取り上げ、実際に行なっているアクティビティを授業の中で体験する時間を設けました。

今回行なったのは、インドネシアのコマの回し方を考えるアクティビティです。約70名のクラスを4名ずつのグループに分け、各グループにコマを2点ずつ渡します。学生たちは、知恵を出し合い、試行錯誤しながらコマの回し方を考えます。

インドネシアのコマ。
全体を4名ずつのグループに分け、全てのグループに2つずつコマを配布しました。

学生たちはグループで車座になり、課題の達成(=コマを回すこと)に取り組みます。仲間同士で気づいたことを伝え合い、考え出した方法を試しながら回し方を探っていきます。この活動の時間では非常に活発で表情豊かな様子が見られました。アクティビティの後、本プロジェクトのワークショップにおける目標を説明し、そのための多様な活用方法や発達段階に応じたワークショップメニュー、実際に学外の現場に行なった事例等を紹介しました。

当日の配布資料から。ワークショップメニューの一部。

本プロジェクトは現在メニューを4つ公開していますが、今後さらに追加していく予定です。メニュー化は、これまでに得たさまざまなアクティビティのノウハウを一連の流れを持った授業案のような形で示すことで、どのようなことを学習者が体験できるのか、誰にでも分かりやすく提示することを目指しています。

後半は、現在のようなアウトリーチ教育プログラムを実施するまでに、ヒト・モノの活用がどのように変遷したのか、そして学校教育現場へのアウトリーチの実施までにどのようなプロセスが必要なのか紹介しました。

当日の配布資料から。依頼を受けた後の検討事項の概要。右側の写真はこれまでにアウトリーチした会場の一部。会場が計画に影響することもあります。

本プロジェクトでは、ワークショップや出張博物館を実施する際、必ずクライアントを招いて打ち合わせを行います。打ち合わせの基本的な内容は上記スライドのとおりです。こうした項目を個別に検討しながら、ワークショップの目的や内容についてクライアントと意思疎通をはかり、共通認識を持つことが重要であると考えています。なぜなら、学校におけるワークショップなどの活動が終わった後、そこで得たさまざまな感情体験や気づきをその後の学習活動で活かすのは、クライアントである現場の先生方であるからです。そのためには、ワークショップのねらいや活動内容を十分先生方にもご理解頂き、また先生方自身にもワークショップに楽しく参加して頂く必要があります。こうした学校教育現場との丁寧なコミュニケーションは、現在、どの博物館にも求められるものであり、博学連携をより実りあるものにするためには必須であるといえます。

博物館における教育の特徴は、豊富な物的リソースを活用することにあります。本プロジェクトのような体験や協働的な取り組みを特に重視した手法は、博物館教育の一つの可能性としてみることができるのではないでしょうか。学内におけるこうした博学連携の実際を学びの材料とすることで、授業に貢献できればと考えています。

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