【報告】世界の実物体験ワークショップ実施(博物館教育論):2019年7月3日(水)

本学には博物館学芸員課程が開かれています。学芸員資格の取得のための必修科目の一つである「博物館教育論」では、ご担当の石渡尊子先生からのご依頼で、ワークショップを毎学期実施しています。テーマは本プロジェクトの学校教育に対するアウトリーチ教育プログラムを博学連携の一形態として取り上げるもので、今学期は7月3日(水) に実施しました。本プロジェクトの活動内容、3つのリソースとそれらを活用した5つのアウトリーチ教育プログラム等についての紹介、そして実際に教育現場で行っているアクティビティの体験としてブラジルの「チクタク」を題材にした「伝言工作ゲーム」を組み込み、ワークショップ型で授業を行いました。

ブラジルの「チクタク」を作り上げる伝言工作ゲーム

材料を袋から取り出し確認をする

このアクティビティでは、はじめにクラスを3〜4名のグループにわけ、さらに各グループをガイド係と工作係の2つにわけます。グループには、「チクタク」2つ分の工作材料とその工作手順説明書をそれぞれ1部配布します。

このアクティビティのゴールは、各グループで力を合わせて2つのチクタクを完成させることです。作業開始前に、各係が守らなければならないルールをそれぞれ伝えます。

・ガイド係は材料に触れてはいけません。

・工作係は説明書を見せてはいけません。

ガイド係と工作係がコミュニケーションを取りながら完成を目指して作業を進めます

他者との協働の実体験を通じて学ぶアクティビティ

「伝言工作ゲーム」に限らず、本プロジェクトが行うワークショップのさまざまなアクティビティは、参加者同士の関係性によって偏りが生じないようにグループのメンバー構成をあえて意図的に操作します。すると、アクティビティを通じて出会うグループのメンバーは、これまで話したことのない顔見知り同士となります。2つの係に分かれてチクタクの完成を目指すことで、他者との関係性を構築し、どうすれば相手に伝わるか、相手は何を伝えようとしているのかなど、参加者が自分なりに省察しながらコミュニケーションをはかります。

こうしたプロセスを通じて、他者と協働することの面白さや難しさを感じたり、自分自身やグループの仲間の言動を振り返ったりします。これらの経験は、参加者にとって、今後の生活や人生に活かすことができるヒントになるものと考えています。

このようなアクティビティを実際に体験することにより、履修生のみなさんが本プロジェクトの活動内容を授業科目の学習内容と結び付け、より深く理解できれば嬉しく思います。