【報告】2日連続で出張博物館を実施しました!第一弾〜2019年11月30(日)小中学生と共に実施した相模原市立富士見こどもセンター

2019年11月30日(日)と12月1日(月)、相模原市内の児童館と新宿区のイベントでそれぞれ「世界の遊びと衣装の出張博物館」を実施しました。2日連続での出張博物館実施は初めてのことです。今回は初日の活動報告です。

11月30日(土)14:00〜16:00の2時間、相模原市立富士見こどもセンターで出張博物館をオープンしました。相模原市の公共施設で出張博物館を開くことは珍しいことではないのですが、実は今回、初めての試みが2つありました。まず、同館学区にある中学校の生徒を受け入れ、運営側の活動にチャレンジしてもらうことです。そして、もう一つは、同館学区内の小学校の国際教室で学ぶ外国につながる子どもたちがそれぞれの国の遊びを出張博物館の中で紹介するということです。
自分たちが紹介する遊びの案内をホワイトボードに書く国際教室のこどもたち

富士見こどもセンターには、中央中学校、富士見小学校、中央小学校がまさに”隣接”しており(同センターは中学生の利用が市内で最も多いそうです)います。また、この地区には外国につながる子どもたちが多く在籍しており、富士見・中央両小学校には国際教室が設置されています。こうした環境から、「小中学生の子どもたちを主体とした国際理解の場を設けたい」というご相談を同センターより受けました。そこで、本プロジェクトが小中学生それぞれの発達に応じた役割で出張博物館に参画する企画をたて、今回このような試みが実現したのです。

11月23日(土)に本プロジェクトで行なった研修。

そこで、まず、10月25日(金)に富士見小学校・国際教室と中央中学校・英語部の子どもたちと担当教員とを集め、顔合わせと趣旨説明を目的とした会を同センターで行いました。出張博物館開催に向け、今回の活動の趣旨を子どもたちが理解して主体的に取り組むための大切な準備です。さらに、11月23日(土)には出張博物館のスタッフとして参加っする中学生7名と顧問の先生を本プロジェクトに招き、事前研修を行いました。活動の趣旨の再確認に加え、スタッフとしての心構えと役割を学び、当日展示する遊び道具の遊び方をマスターしたり、具体的に来場者へ紹介・説明する練習をしました。この研修には、本プロジェクトで日ごろ活動している本学学生も参加し、中学生たちの指導役を務めてくれました。

インドのすごろく「へびとはしご」を小学生に教え、一緒に遊ぶ中学生

当日になりました。出張博物館オープンの1時間半前に本プロジェクトエデュケーター、学生スタッフと中学生たちが集まり、会場設営を行いました。中学生も学生スタッフも、お互い初めてのことや慣れないことばかりだったと思いますが、みんなで協力して会場づくりをしました。その後、開会30分ほど前に小学校の国際教室の子どもたちが合流し、遊び紹介の最終確認をしました。

出張博物館のオープンの時間です。会場には多くの子どもたちが遊びに来てくれました。また、本村賢太郎市長をはじめ、地域のさまざまな立場の方々がご来場くださり、開会を見守ってくださいました。そんな大勢の人たちの前で、小中学生の代表のこどもたちは緊張しながらも堂々とことばを述べることができました。さあ、ついに、初めての出張博物館が幕開けです!

会場には、小学校低学年を中心とした子どもたちや保護者のほか、開会から集まってくださった地域や近隣各校、市の教育関係者で大変なにぎわいとなりました。スタッフ役の中学生は、主に世界のコマやインドのすごろくの案内を担当してくれましたが、全員が小さな子どもたちにやさしく丁寧に接し、体験をサポートしていたのが印象的です。また、国際教室のこどもたちも、エデュケーターとともに、他の子どもたちへ自らのルーツにつながる伝統的な遊びを一生懸命日本語で伝えていました。”小さな草の根プロジェクト・スタッフたち”の大きな努力により、多くの来場者はみんな笑顔でした。きっと双方に楽しい学びがもたらされたことと思います。

手を取ってコマの回し方を教える中学生。
フィリピンのマンカラ「スンカ」の遊び方を説明する学生スタッフ。伝えるのが難しいスンカは学生スタッフが主に担当しました。
世界の民族衣装を見るこどもたち。

終了後、スタッフとして参加した中学生からは「とても貴重な経験をすることができた」「またやってみたい」「遊び方を伝えて楽しんでもらうことで、小さなこどもたちの笑顔を見て、とても嬉しかった」等の感想を聞くことができました。

出張博物館では、実物資料の体験を通じて、老若男女を問わず、文化が多様性であることへの気づきを促します。しかし、それだけではありません。運営側である学生スタッフが地域の多様な人々と出会い、体験を支える学習支援者として活動する場を提供し、エンパワメントすることも目指しています。今回の活動では、学生と、さらに年少の小中学生、言語・文化的背景が多様な子どもたちも加わり、それぞれが持つ力を活かしながら地域に貢献し、異世代間・異文化間の交流を通して成長することができるような活動をプロデュースをしました。こうした重層的に学びを促していくような活動形態は、今後もクライアントの要望や環境によっては実現可能なのではないかと考えています。
 
ちなみに、この日は閉会・撤収作業を終えたあと、エデュケーターらは早々に本プロジェクトへ戻り、翌日12月1日(日)新宿で開く出張博物館に向けた資料準備・積み替え作業を行いました。新宿での出張博物館は、第二弾として改めてお知らせします。

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