【報告】町田子どもセンターただONで出張博物館を開催しました:2019年4月27日

大型連休の初日4月27日(土)町田市忠生地域の「子どもセンターただON」で世界の遊びと衣装の出張博物館を開催しました。同じ地域にある社会教育施設の同館と連携を始めて3年度目となります。今回、同館では初めて世界の民族服や帽子も多数持ち込んだ出張博物館を開催しました。初めて目にする服や帽子に、現場でお手伝いしてくださった同館職員さんも思わず見とれ、感激や感動の声がもれてしまうほど。

まず、今回とても嬉しかったことがあります。それは、ある子どもたちとの再会です。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、私たち草の根プロジェクトは近隣地域の学校教育の多くの現場もさまざまな方法で支援しています。同じ地域にある町田市立山崎小学校で、毎年2月に卒業をひかえた6学年児童を対象に国際理解の授業を実施しています。再会したのは、その授業を受けたというある子どもです。

大型の竹製コマ(インドネシア)を協力して回す。

「もしかして、山崎小に来てくれた先生たち?!世界の楽器をたくさん体験したあのときのクラスの?」 現在、中学2年生の大きな男の子が声をかけてくれました。「えっ!!そうだよ!覚えてくれているの?!」と返すエデュケーター。「はい、覚えています、すごく楽しかったから!あの時の楽器、今日もありますか」と、生き生きとした笑顔で弾むように話してくれました。彼は、その日あらたに出会うさまざまな遊び道具や衣装・帽子に目を輝かせていました。それは、予期せぬ驚きと嬉しさに満ちたひとときでした。 こんな出来事が経験できるのは、同じ地域にある学校教育と社会教育それぞれとつながりがあるからです。このことは、私たち草の根プロジェクトにとっての喜びにとどまりません。同じ地域の子どもたちをさまざまな教育現場で見守り、共に彼らの学びと育ちをより豊かなものにするという、連携した包括的な教育にもつながるものだと考えます。大変有意義で貴重で大切なつながりです。

さて、町田市の児童館に相当する同館は、0~18歳の子どもとその保護者が利用対象者となっています。そのため、同館で出張博物館を開催すると「よちよち歩き・おしゃべりもこれから」というような小さなかわいい学習者も珍しくありません。この日も近隣からやってきた小中学生ほか、2歳前後の子どもとその保護者が楽しんでくれました。「そんな小さな子どもに、けん玉やこまができるの?早すぎでは?」と思われるかも知れません。しかし、子どもたちを見ていると、部屋中を大きく見回したり、服や帽子を指差したり、試着時には自ら袖に腕を通したり、友だちや親たちに民族服を着た姿を見せてあげたり、決めポーズで写真に写ったり・・・。絶えることなく能動的な言動の数々がそこにはあります。「できる・できない」あるいは「わかる・わからない」そういう狭義的な捉え方による学習ではない、もっと人間本来の持つ根源的な学びや知、それらに対して沸き起こるエネルギーが強く感じられます。

世界各国の色鮮やかな衣装を着て楽しむ女の子たち。

万国旗で飾られた明るい部屋、色とりどりの帽子や衣装、 色・形・大きさも多様な各地のけん玉などが、次々と小さな子どもたちの目に飛び込んできます。 すぐそばでは、小中学生のお兄さん・お姉さんがコンコンと軽快な音を鳴らしながらけん玉で遊んだり、巨大なこまを友だちと回して声をあげて喜んだりしています。2歳児というと、ようやく○△□といった形の区別がつきはじめ、物の輪郭もはっきりしてきます。ただ、見え方としては0.5前後と言われています。視野は6歳児でようやく水平90度・垂直70度(成人はそれぞれ150度・120度)ほどです。それ未満の子どもたち、80センチにも満たない目の高さの子どもたちを想像してみてください。その見える世界は大変せまく小さいものだということが理解できます。そんな幼い乳幼児にしてみたら、親と過ごすいつもの日常が突然、未知の世界の大冒険といった感覚でしょう。 自分の目に映る物、耳にする音や声、肌で感じる物・事。あらゆるすべてから、小さな小さな子どもの頭と心の中は、きっと大人にはかり知れない、たくさんの大発見にあふれ、たくさんの感情体験の連続でしょう。

草の根プロジェクトの出張博物館には、十人十色、人それぞれの楽しみ方や学びがあります。日々刻々と変化する幼い乳幼児、体も心も大きく成長・発達する児童・生徒、大人への入口が近づいてきた10代後半の子どもたち。児童館を利用できるすべての子どもたちが思い思いに、さまざまな遊び道具を自分の手で楽しむことができます。また、子どもをサポートする保護者のみなさんにとっても、親として家族として子どもを育み、自身も子どもと楽しみながら成長する場・機会となることでしょう。年齢や立場はもちろん、言語や文化などの多様性も問いません。誰もが自分の目で本物を見て、自分の手で本物に触れ、親子や家族で言葉を交わし、手を取り合いながら、たくさんの「未知」や「異」に出会い、さまざまな発見や感動を共有する場・機会。それが、私たち草の根プロジェクトの出張博物館です。今後も各地のさまざまな現場でこの出張博物館を開催します。老若男女、多くのみなさまに楽しんでいただけたらと願っています。

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