【活動報告】青梅市国際理解講座で世界の実物体験ワークショッププログラムを実施しました(2023年6月10日)

青梅市国際理解講座では、小学4年生から高校生までを対象に、英会話をはじめ、さまざまな文化について学ぶ講座が開かれます。草の根プロジェクトでは、2015年度から依頼を受け、年に2回ワークショップを実施しております。今年度は6月と9月にワークショップを実施する予定です。

今回のワークショップは、今年度の講座が本格的にスタートする初日であることから、以下の2つを目標として設定しました。

1 受講者である子どもたちが3月まで続く講座に安心して楽しく参加できるよう、ポジティブな状態になること

2 身体を動かして、コミュニケーションして、やってみることから、国際理解のためのヒントをつかむこと

これらの目標に沿ったワークショップ(50分間)を、小学5年生クラスと6年生~高校生クラスでそれぞれ実施しました。この日のプログラムの概要は以下のとおりです。

  • イントロダクション
    • エデュケーター・草の根プロジェクト紹介
    • 今日の目標共有
  •  
  • ウォーミングアップの活動
  • 世界の道具マスターゲーム
  • 振り返り

ウォーミングアップ

参加者である子どもたちは、年長の子であっても初めて参加する子もいれば、これまで毎年のように参加している子もいます。また、市内の複数の学校の子どもたちが集まるため、通っている学校が同じ子や仲の良い友だちもいれば、ここで初めて出会う子もいます。このように、参加者の子どもたちの関係性はまだらです。参加者のなかには、誰も知らずに不安な気持ちの子もいることでしょう。

そこで、ウォーミングアップです。声を出しながら、エデュケーターが見せるいくつかの簡単なアクションを子どもたちはまねます。その後、それらの動きを組み合わせて1対1で行う「協働あいさつ」を子ども同士で行います。声を出しながらポジティブなアクションを繰り返すことで、子どもたちは自然と緊張がほぐれ、表情もゆるみます。また、相手と呼吸を合わせて行う協働のあいさつが成功すると、小さな喜びの共有から出会いをスタートさせることができるでしょう。

<アクション例>

・いいね!:サムズアップ(親指を立てて前に出す)

・やった!:ガッツポーズ(ひじをまげて腕を立てる)

・オッケー!:相手と互いの手を合わせて◯をつくる

・グータッチ:グータッチ(相手とこぶしを突き合わせる)

世界の道具マスターゲーム

このゲームはグループ単位で取り組みます。ある「道具」の使い方を参加者全員がマスターするこで、この活動はクリアとなります。ゲームの進行方法や題材である「道具」の選択、ルールの調整などバリエーションはいくつもあり、大学生を対象としたワークショップでもこのゲームはよく行っています。

今回は小学校高学年から高校生と参加者の年齢・発達段階が幅広いことから、ルールはシンプルなものとし、また、題材である「道具」は比較的少ない手順で回せるトルコのコマを選んでいます。参加者同士でコマの回し方を伝え、マスターするプロセスでは問題解決のために協働することが求められます。また、多くの子どもたちにとっては未知のコマと出会うことで、文化の多様性に気づく機会となります。

1.グループ内で✊チームと✋チームに分かれる

2.各グループ✊チームのみを部屋の中央に集め、✋チームは部屋の外を向いて待機

3.✊チームにのみコマの回し方を教える

4.✊チームがコマを回せるようになったら、各グループの✋チームを呼び寄せる

5.✊チームが✋チームにコマの回し方を教える

6.✋チームがコマを回せるようになったらクリア!

*難易度の調整方法として、初めにマスターする人(この場合✊チーム)の人数を調整したり、✋チームに回し方を教える際に✊チームは「道具に触れてはならない」というルールを追加する方法があります。

✊チームにコマの回し方を教えるエデュケーター
コマ回し大会!全員一斉にコマを回しています

振り返り

草の根プロジェクトは「国際理解」を目的とした教育において、異文化についての知識理解だけではなく、多様な他者とコミュニケーションする資質・能力の育成も求められると考えています。ウォーミングアップや世界の道具マスターゲームは、他の参加者とのコミュニケーションが必要なアクティビティです。

そこで、ワークショップにおける活動を振り返り、他者との協働やコミュニケーションのポイントを紹介しました。これは、傾聴モデル(聴き方)「FELOR」をベースに、この日の子どもたち向けにアレンジしたものです。子どもたちは知らず知らずによりよい聴き方で活動に取り組みます。草の根プロジェクトのワークショップは、このFELORの実践を促すアクティビティで構成しています。

協働の学びのために— 傾聴モデル(聴き方)=FELOR(Face, Eye-contact, Lean, Open, Relax)

今回のワークショップでは、好奇心を刺激する体験を共有し、コミュニケーションを活性化することで、子どもたち同士を結びつけるアクティビティによって構成しました。アクティビティ自体を楽しみつつ、そのプロセスを振り返り、互いを高め合うコミュニケーションのコツを明らかにすることで、これから先の講座ものびのびと楽しみながら学ぶことができるよう後押しすることを目指しました。ワークショップの開始時と終了時の子どもたちの表情や姿勢の違いから、この日の目標は達成できたのではないかと思います。

青梅市国際理解講座での次のワークショップは9月に実施予定です。この日のワークショップを出発点に、さまざまな体験を経た子どもたちに再会できることを楽しみにしています。

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