新たなワークショップの形ー非接触型のプログラム開発に取り組んでいます

久しぶりの投稿となりました。
 
草の根プロジェクトでは、2月下旬から従来のアウトリーチ教育プログラムの実施を中止しています。アウトリーチ教育プログラムでは、エデュケーターと学生スタッフが世界各国の実物資料などを活用して、学習者とともに活発なコミュニケーションを伴う多種多様な活動を行います。これらは、参加者同士が極めて近い距離でコミュニケーションするものです。
こうした従来の方法は、残念ながら、当面の間実施することはできません。そのため、昨年度から依頼を受け、予定していたワークショップや出張博物館も、中止もしくは延期となりました。
 
そこで、4月から5月にかけて、本プロジェクトを紹介する動画の制作やオンライン形式でのワークショップのプログラム開発などに取り組んでいました。完成した動画(シリーズ4本)は現在公開中です。ぜひご覧ください。
動画第4部のスクリーンショット 草の根プロジェクトと学内外の人・現場との3つのつながり方

新たなアウトリーチの形〜オンラインワークショップ

中止となったワークショップの予定には、学内の授業を対象にした依頼が多数含まれます。本プロジェクトでは、春学期にリベラルアーツ学群の新入生対象の科目「リベラルアーツセミナー」を対象にしたワークショップの実施を実施しており、今年度ものべ37クラスを対象に行う予定でした。この科目におけるワークショップのねらいは2つあります。一つに、学内に本プロジェクトがあるということを認知し、自分も社会貢献に参加するチャンスがあるということを認知してもらうことです。もう一つは、世界各国の実物資料を体験的に活用するグループワークを通して活発なコミュニケーションを促し、新入生が集まったクラス内に関係性を築くきっかけとすることです

まずは、この科目におけるワークショップのオンライン化を試みました。


2019年度のワークショップの様子 インドネシアの楽器の合奏方法をクラスで考え、実際に合奏するアクティビティに取り組みます。一人一人が楽器を手に取り、「自分たちで合奏の仕方を考え、合奏する」という課題に取り組むことで、コミュニケーションしながら試行錯誤することが求められます。
オンラインワークショップにおけるアクティビティでインドネシアのコマの回し方を紹介するエデュケーター
グループワークは実物を直接触れ、非常に近い距離でコミュニケーションを重ねながら問題解決に取り組むことができるよう設計していましたが、オンラインではこれができません。これが最も大きな課題で、オンラインでも実施可能と思われるアクティビティ案を検討し、学生スタッフを交えたトライアルを行なって実施内容を決定しました。今回は、本プロジェクトが最も多く実施してきた世界のコマの回し方を考えるアクティビティを、画面を通してグループで取り組む方法を開発することができました。リベラルーツセミナー運営委員の先生方と連携し、プログラムの目処が立った5月下旬から申し込みの受付を開始し、6月から学期末にかけて最終的に計19クラスを対象に実施する予定です。
既に実施したクラスでは、表情豊かに活動に取り組む様子が見受けられました。オンライン授業のみでは、大学生になったという実感や、大学に対する愛着が湧きづらいのではないかと考えられますが、今回のワークショップが少しでも大学に対する関心や学生生活における期待を高める機会となればと考えています。

新たなアウトリーチ教育プログラムの可能性

こうした取り組みをもとに、本プロジェクトでは学外の現場に対してもオンライン型のワークショップの開発と実施に取り組んでまいります。既にこのような形で実施を予定・検討している学外のクライアントもあり、さらに実践を積み重ねて非接触型アウトリーチの手法を充実させていくことで、教育現場における感染予防に対応した新たな支援の形を確立させたいと考えています。

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