【報告】町田・相模原市立小中学校3校で国際学生訪問ワークショップを実施しました

本プログラムにおいて留学生が果たす役割は、英語をはじめとする外国語の指導、事典にあるような母国の情報や伝統芸能の紹介・披露をする存在ではないというのが大きな特徴といえます。多様な背景の留学生との交流を通じ、「聴く」ことと「協働」することの大切さを学ぶことが、このプログラムのねらいです。これらは、自分とは異なる他者との相互理解(国際理解や異文化理解)と共生に必要な力です。高度情報社会の今日、子ども向けの素晴らしい図書資料や最新のグローバルな情報によって、世界中の国・地域の知識や情報を手に入れることは容易にできますが、「聴く」「協働」といった資質や能力を身につけることは、他者との関わりでなければ育たないのではないでしょうか。

「国・地域」ではなく、ひとりの「人」としての出会い。人として対等に誠意を持って向かい合うこと、そのなかで同じことや違うことや似ていることを受け止めること、そして、その多様性に気づき、真にわかろうとすること、お互いに精一杯の協働に努めること。これらのことを成長・発達段階の子どもたちがリアルに体験できるような機会・場づくりが、草の根プロジェクトがお届けする留学生との国際理解/異文化理解のための活動です。

そこで、この秋、草の根プロジェクトが訪問してワークショップを行った町田・相模原市内の小中学校の活動を報告します。(以下、各校の活動報告記事をご覧いただけます)

 6学年「総合的な学習の時間-国際理解教育」
 6学年「東京オリンピック・パラリンピック教育」
 武蔵岡中学校全校行事「国際交流会」
 

2020年の東京オリンピック・パラリンピックにむけ、東京をはじめ各地で国際理解教育への実践に関する情報を耳にします。東京都では、「東京オリンピック・パラリンピック教育」の一環として、都内の全小中学校に学習対象の国が数カ国ずつ割り振られ、調べ学習を中心とした学習活動が取り組まれているそうです。それに関連し、その国の出身者を招き、授業をしてほしいと考える現場もあるようです。実際に、草の根プロジェクトにもお問合せをいただくことがあります。その国の人と会い、直に話をきくことができたら、どんなに世界を肌で感じられることでしょう。しかし、それは現実的には極めて困難なことです。例え、実現できたとしても、継続的な実施は見込めず、一過性のイベントのようなものになってしまうでしょう。また、子どもたちの素朴な(時には突拍子もない発想の)疑問・質問に対し、専門家のように的確に、小中学校教師のように易しく上手に答えたり教えたりできる人など、どれほどいらっしゃるでしょうか。20年に渡り、述べ2000名以上の留学生と各校を訪問してきた経験から、草の根プロジェクトではそのように考えています。

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