写真: 本プロジェクトが保有するコマのコレクションの一部。
上から時計回りに、日本、タイ、インドネシア、インドネシア、トルコ、日本、日本、メキシコ、モロッコ、インドネシア、日本、インドネシア、日本。
7月9日(月)に相模原市立鶴の台小学校で世界の実物体験ワークショッププログラムを実施しました。対象は3年生3クラスです。
3年生の国語の教科書(光村図書)では「こまを楽しむ」というタイトルで日本のさまざまなコマが取り上げられています。この単元の時間には、多種多様なコマがあることを知り、子どもたちはそれぞれに考えたことを話し合ったそうです。今回ご依頼を頂いた先生は、以前の勤務校で本プロジェクトの世界のコマを体験するワークショップを経験されていました。今回も同様のワークショップを国語の教科書で登場した「こま」と関連付け、総合学習の国際理解へとつなげていくというねらいでご依頼頂きました。
本プロジェクトは、日本を含めて10カ国60点以上のコマを保有しており、ワークショップや世界の遊びと衣装の出張博物館ではお馴染みの実物資料です(当サイト上の「動画ギャラリー 世界のコマの回し方」でご覧いただけます)。これらのコマには、教科書に載っているものに似ているものもあれば、全く異なる形をしたものもあります。色・形はもちろん、回すための方法が異なる世界のコマを活用し、低学年の子どもたちも遊びながら文化の多様性に触れるアクティビティを、本プロジェクトはこれまで数多くの教育現場で実施してきました。今回もインドネシア、タイ、日本、メキシコのコマを用いて回し方を考え、実際に回すことに挑戦するワークショップをクラスごとに(計3回)実施しました。
<今回のワークショップのプログラム >
1 イントロダクション
はじめに、本プロジェクトを紹介し、その日の活動内容を子どもたちに伝えました。
2 コマの回し方クイズ
約30名のクラスを4〜5名のグループで分け、各グループにコマを2つずつ渡しました。コマには回すための道具(紐や棒)がセットとなっており、それらの道具を使って回す方法をグループで探り、アイデアを出し合いながら実際に回すよう伝えます。子どもたちはコマや道具を手に取って観察し、どうすれば回すことができるか試行錯誤します。
3 コマの回し方紹介
見事に回すことができたグループがあれば、クラス全体に披露してもらいます。その後、大型のテレビ画面で回し方を紹介する動画を再生し、詳しく説明します。さらに、動画の説明が終わった後には、その場でコマを実際に回して見せます。
4 コマ回し体験
こうして子どもたちは自分たちが考えたコマの回し方を理解します。そこで、次は、実際に回すことに挑戦します。グループで互いにアドバイスをしたり手伝ったりしながら全員が回せるようになることを目指します。
5 ふりかえり
可能な限り、コマを体験する時間を確保するため、ふりかえりアンケートはワークショップ終了後に教室でじっくり記入してもらいました。子どもたちのコメントには、今まで知らなかった世界のコマに出会った驚きや、実際に触れたり回したりすることができた喜び、それぞれに強く関心が刺激されたことなどが数多く現れていました。また、ワークショップを通じて触れたコマがどのようなものであったか長く記憶にとどめ、いつでも見返すことができるよう、下記のようなハンドアウトを子どもたち全員に配布しました。
国語の授業を通じてコマに対する関心が高まっていたということもあってか、コマの回し方を考えたりコマを回したりする時の子どもたちは、大変活発で積極的に活動へ参加している様子でした。また、私たちが回し方を紹介する際、全員が食い入るようにコマを見つめる姿からは、非常に強い好奇心が感じられました。
コマは「昔あそび」として、低学年の子どもたちにも親しまれています。大人にとっても、多くの人にとって一度は手に取ったことのある身近なものでしょう。このワークショップでは、そうした身近な遊びが世界各国にも存在しているということに気づき、それらに親しむことで異文化をより近い存在として感じる機会を提供することができると考えています。シンプルなこのワークショップは、特に低学年の国際理解の導入に適しているのではないでしょうか。町田・相模原市周辺の学校をはじめとした教育関係者で興味をお持ちの方は、どうぞお気軽にご連絡ください。