【報告】2/3(土)横浜市立並木第一小学校で世界の実物体験ワークショッププログラムを実施しました

今回は同校の国際教室ご担当の先生からのご依頼で、2年生を対象に世界の遊び道具を活用した新しい形の活動を世界の実物体験ワークショッププログラムとして実施しました。

この日は学校公開日。今回の活動の様子は保護者の方もご覧になりました。

当初のご依頼内容は「世界の遊びと衣装の出張博物館プログラム」でした。これは、本プロジェクトが持つ世界のコマやけんだま、すごろく等のボードゲームのほか、民族衣装を体験することができる「出張博物館」をご依頼頂いた各現場で実施するものです。これまで、社会教育施設や地域の多文化共生を促進する国際交流イベント等において実施しており、子どもから大人まで誰でも楽しみながら異文化に親しむことができる体験の場として親しまれています。この出張博物館を実施する上で重要な存在であるのが、やって来た多くの方にとって見慣れない遊び道具を紹介し、一緒に体験する本プロジェクトのスタッフです。

今回のご依頼も「子どもたちにさまざまな世界の遊び道具を体験させてあげたい」ということで、出張博物館プログラムのご相談をいただきました。子どもたちの人数と本プロジェクトのスタッフ人数のバランス、その他を考え、出張博物館の要素をとり入れたかたちの「世界の実物体験ワークショッププログラム」をご提案させていただき、実施することになりました。

<世界の遊び道具の出張博物館体験ツアー>

今回は活動会場である教室を出張博物館にしました。遊び道具として、「インドネシアの竹のコマ『ガシン』」、「ネパールのすごろく『へびとはしご』」、「世界各地のけんだま」を用意しました。これら3種類のコーナーに訪れる「世界の遊び体験ツアー」というのが、今回のアクティビティです。子どもたちが体験する際、安全にのびのびと楽しめるよう、3つのコーナーづくりを行いました。

1クラス(約30名)1コマ(45分)で活動しました。各クラス3グループに子どもたちを分け、そこへ私たちスタッフ(エデュケーターと学生スタッフ)が2名ずつ加わりました。この日の私たちは、「ツアーガイド」という役割で子どもたちの体験と気づきを促します。

いよいよ、体験ツアーの始まりです!各グループ3種類の遊び道具のコーナーを順に回りました。出張博物館の教室中に子どもたちの驚きや喜びの声が響き渡っていました。すべての遊びを体験した子どもたちは、どの子もみんなもいい顔をしていました。

インドネシアの竹コマ

インドネシアのコマの回し方を説明する学生スタッフとそれを真似る子どもたち。

インドネシアの竹のコマの体験では、すぐに回し方を説明してしまうのではありません。初めに、コマと回すための道具を子どもたちへ手渡し、自分たちで回し方を考えてもらいます。すると、コマを手にした子どもたちは、コマや道具を観察しながら子ども同士であれやこれやと相談を始めます。何か思いついた時にはそのアイデアを試し、試行錯誤していきます。本プロジェクトスタッフは、そうしたやりとりを促します。「どうやってこのコマを回すんだ!」と行き詰ったところで、コマの回し方の紹介です。考えていた子どもたちは興味津々な様子で説明を聞き、実演を見ながら自分たちでコマを回します。そうして、コマが回ると、子どもたちは声をあげて喜び合っていました。

へびとはしご

ネパールのへびとはしごを遊ぶ子どもたち

「へびとはしご」はインドで発明されたすごろくです。ネパール等の周りの国だけでなく、世界各国で親しまれています。ルールはシンプルで、「1」のマスからスタートして「100」のゴールを目指します。途中、「へび」と「はしご」のイラストが上下に離れた2つのマスを繋ぐように描かれており、「へび」の頭に止まるとしっぽのマスまで落ち、「はしご」の下のマスに止まると、はしごを上まで登ることができます。この「へびとはしご」のボードを見せながら遊び方を説明すると、子どもたちはすぐに蛇とはしごの意味を理解したようで、大きな歓声が起こりました。3~4名ずつに分かれ、それぞれに楽しんでいました。

世界のけんだま

草の根プロジェクトが持つさまざまな国のけん玉(計20点)を用意しました。けんだまは子どもたちにとって身近なもので、子どもたち全員が知っているものです。しかし、この日に子どもたちが目にしたものは、今までに見たことのない形をしたけんだまばかり。ここでは、それぞれ自由に気になったものから手にとり、自由に体験しました。自分にできそうなものを遊びながら探したり、成功するまで1つのけんだまに挑戦したり、子どもたちの体験の仕方はさまざまです。そうした子どもたちの様子を見ながら、本プロジェクトスタッフはさまざまな問いかけをしたり、アドバイスをしたり、励ましたり、一緒に喜んだりしました。

上の動画:次の遊び道具に移る前に、世界のけんだまを片付けているところです。形や大きさで分類しています。

全体を通じて、非常に活発に遊び道具を楽しみ、好奇心旺盛の活き活きとした表情を見ることができました。コマやけんだま、すごろくは、小学校低学年の子どもたちにとっても身近で親しみやすいものと言えるでしょう。このように、生活の一部になっている身近な物を通して、異文化と出会い、実際に体験することは、小さな子どもたちが文化の多様性に気づく機会となるのではないでしょうか。

今回実施した活動は、頂いたご依頼の現場やご希望に応じ、今後も世界の実物体験ワークショッププログラムとして実施していきたいと考えています。私たちの活動の新しい引き出しを創る機会を頂いた横浜市立並木第一小学校の先生方へ、心より感謝を申し上げます。

 

今回の活動実施に携わった本プロジェクトエデュケーターと学生スタッフ。

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