新年度が始まり、あっという間に2カ月が終わろうとしています。大型連休が明けると、学校教育現場ではそれぞれの学習活動が本格化します。中学や高校などでは、最高学年の生徒達が卒業後の進路を考え始め、それに向けた学習目標・計画を立てていきます。実は、草の根プロジェクトでは、そんなお手伝いにも携わっています。さて、今回は大変ユニークなワークショップの報告です。
5月23日(水)、本学キャンパスに36名の高校生がやってきました。神奈川県立相原高等学校の総合ビジネス科の3年生です。同校・科の教育活動への協力を開始したのは、今から13年前にさかのぼります。その頃より、留学生をはじめとする学生との協働的な交流学習を継続して行ってきました。この活動にこれまで参加した本学留学生は、100名ほどになるのではないでしょうか。
さて、通常の国際学生訪問ワークショッププログラムは、本プロジェクトが依頼元の学校/社会教育の現場を訪れ、ワークショップを行いますが、同校・科との学習活動は違います。高校生が本学へやってくる「逆訪問型」で実施します。これが、まずひとつのユニークなポイントです。自分たちの学校=ホームではなく、もしかしたら1年後に自分が立っているかもしれない大学という未知のフィールドへ足を運んでみようというねらいがあります。
そして、何よりも活動内容がユニークです。「外国人留学生から各国・地域のことを教えてもらおう」とか「外国語(英語)で交流しよう」といった、いわゆる異文化学習や外国語活動ではありません。「少しだけ年上の先輩。でも、異なる学校文化のもとで学び育ち、それぞれの価値観や信念を持ち、今、親元・ふるさとを離れて頑張っている先輩。多様な背景の先輩たちが、どのように学び育ってきたのか。どのような経緯で日本留学を決め、今に至っているのか。そして、これから、どのような人生を歩もうと考えているのか。自分自身をどのように見つめているのか。」そのような先輩の歴史を高校生が聴き、自分自身を見つめ、将来を考えるきっかけとすることが目的の授業です。もちろん、その活動形態は、草の根プロジェクトのチエ・ワザをつめ込んだワークショップです。
それでは、活動の様子を写真とともに少しご紹介します。
イントロダクション
アイスブレイクのワーク
メインワーク
本授業を実施するにあたっては、その教育的効果を高めるため、担当の先生と綿密な打合せを毎年行い、その主旨や目的を共有しています。学習対象となる高校生にとってはもちろんのことですが、ワークショップを実施する学生にとっても有意義な学びの場・機会となることが、協働学習を行ううえで非常に大切なことだと考えています。そのためには、依頼者との相互理解と連携・協力が欠かせません。今後も相互理解と協力をはかり、共に学びづくりをしていけたらと考えています。