【報告】異文化協働体験ワークショップ P 武蔵野市

図書館をはじめとしたさまざまな生涯学習施設機能を併せ持つ武蔵野市の『ひと・まち・情報 創造館武蔵野プレイス』をご存知でしょうか。同館が開講する小学生むけの講座「土曜学校」の中の国際理解講座「世界を知る会」は、私たち草の根プロジェクトが開講以来15年間にわたり委託を受け、企画から実施のすべてを担っているコースです。

ものづくりのアクティビティに取り組む留学生と子どもたち。ブラジルの「チクタク」というけん玉がモデルです。

今年度も11月18日(土)、25日(土)の2日間で計2クラス(約50名)でワークショップを行いました。私たち草の根プロジェクトのクラスは開講当時より毎年大変な人気で、募集定員の何倍もの参加希望者が殺到し、現在では抽選を行っているそうです。あまりの人気ぶりに、数年前より2クラス開講を依頼され、ワークショップを実施しています。

さて、その大人気のクラスというのは、草の根プロジェクトの「異文化協働体験ワークショップ」プログラムです。私たちの所有する世界各地のさまざまな実物資料を間近で見られ、しかも、手に取って触れられるとあって、参加する子どもたちも参観する保護者も終始笑顔いっぱいです。ただ、見て、触れて、その物や国について知るのではなく、その物を使った草の根プロジェクトオリジナルのアクティビティをします。それが私たちのワークショップです。

スライドを全員で見ながら、互いに「聴く」こと「協働する」ことがねらいであることを共有します。

しかし、それだけではありません!プログラム名にもあるとおり、異文化間での「協働」がキーポイントです。それを実現する大きな役割を果たすのが、草の根プロジェクトに所属する留学生メンバーです。出身、母語、日本語力、日本での生活歴、子どもたちとの活動歴など、さまざまな背景のメンバーが一つのチームとなり、この日のためにプログラムづくりから参加し、力を合わせてワークショップを実施します。

留学生の説明を聴き、子どもたち一人一人がインドネシアのコマを回します。
子どもたちは留学生のことばに耳を傾け、グループ内でやりとりを重ねながらチクタク作りに取り組みました。

このワークショップにおける留学生の役割は、母国の紹介や実物資料の解説をする大使や専門家ではありません。言語・文化的な背景がさまざまな「大学生のお兄さん・お姉さん」として、子どもたちと出会います。物は、あくまでも子どもたちと留学生が協働するためのツールです。物を介して人と人がつながり、協力する。そのために言語・非言語を駆使して、「伝えよう」「わかろう」と共に努力する。これこそが異文化コミュニケーションであり、異文化間での協働です。これは草の根プロジェクトならではの体験学習です。

11月18日の教職員・学生スタッフ。
11月25日の教職員・学生スタッフ。

このような人間らしいコミュニカティブな協働を支える陰の立役者が日本人学生メンバーです。彼らも本プロジェクトの理念・方針をよく理解し、よきファシリテーターとなるべく日々努力しています。彼らがいることで、子どもたちの「聴く」ことと「協働」することを目指す活動は、さらに厚みを増します。この異文化協働体験ワークショップでは、教員、留学生、日本人学生といったさまざまな立場・関係性の人間とのふれあいを体験できる、子どもたちにとってはまさにリアルな異文化環境といえるでしょう。

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