おうちでめぐろう!世界遺産

アジア

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東アジア①

万里の長城

  • 登録年:1987年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:長大な防壁。渤海湾沿岸からゴビ砂漠まで全長約6,000kmの長さがあると言われます。起源は紀元前8世紀~5世紀の春秋時代まで遡ります。紀元前3世紀、秦の始皇帝が北方民族の侵入に備えて修築し、さらに西方に延ばしたものです。
  • 見どころ:中国の歴史において、最も長い歳月をかけて築き上げた歴史建造物です。河北省、北京市、山西省、陜西省、内モンゴル自治区、甘粛省などの省、自治区にまたがっています。(柳舘)

北京と瀋陽の明・清朝の皇宮群

  • 登録年:1987年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:中国の中心部に位置し、「紫禁城」という名称で知られている建築物。現在は故宮博物院となっています。1420年、明の初めである永楽帝時代に完成し、末期の1644年にほぼ全焼するも、清朝により復旧されたものが現在の姿です。
  • 見どころ:中国で現存する最大の木造建築物群です。太和殿、中和殿、保和殿の三大殿があります。その他にも大小60以上の建築物があり、それぞれの内装はとても豪華絢爛です。(柳舘)

莫高窟(ばっこうくつ)

  • 登録年:1987年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:中国の敦煌、その南東にある石窟。石窟は490あり、南北約1,600mにわたって存在します。石窟の内部には、仏教の教えを描いた壁画や仏像があります。それらは、中国の仏教絵画資料として貴重なものです。
  • 見どころ:仏教石窟寺院の代表的存在です。現存する最古のものは5世紀初頭に作られました。その後、約1000年にわたり石窟の造築や修復が続けられました。石窟内には2000体余りの塑像が安置され、千仏洞とも呼ばれています。(柳舘)

秦の始皇陵

  • 登録年:1987年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:紀元前に中国を統一した、秦の始皇帝が葬られた場所です。出土された約6千体もの陶製の兵隊や軍馬は、兵馬俑群として知られています。それらの規模が非常に大きいことでも有名です。
  • 見どころ:1974年に、地元住民が地下の埋もれた兵馬俑を発見したことで、存在が明らかにされました。兵馬俑群は、始皇帝の死後の世界を守る警護兵だと考えられています。(柳舘)

周口店(しゅうこうてん)の北京原人遺跡

  • 登録年:1987年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:人類の進化段階の一つである、原人の生活が伺える遺跡。原人の中でも北京原人のものです。
  • 見どころ:竜骨山にある天然鍾乳洞の洞窟にある遺跡です。数百人の化石、火を使用した形跡である灰の堆積物と焦げた骨、石器などが発掘されています。(柳舘)

承徳の避暑山荘と外八廟

  • 登録年:1994年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:河北省・承徳にある、清王朝歴代の皇帝が避暑と政務を行った離宮。おもに宮殿区と自然庭園の苑景区から構成されています。山荘を囲んでいた寺廟のうち、「外八廟」と呼ばれたものが現存しています。
  • 見どころ:外八廟は、城壁の外に点在する自然地形を生かして建てられました。中国風景のうち、十大名勝地のひとつとされています。(柳舘)

曲阜の孔廟、孔林、孔府

  • 登録年:1994年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:山東省曲阜の中心部にあり、春秋時代の思想家・孔子に関する場所。孔子をまつった孔廟、孔家代々の墓所の孔林、孔子の子孫が暮らした孔府、これらを合わせて「三孔」とも言います。
  • 見どころ:紫禁城、岱廟と並ぶ、中国の三大宮殿建築の一つです。儒教が国教となってから、歴代皇帝の手厚い庇護を受けました。(柳舘)

武当山の古代建築物群

  • 登録年:1994年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:湖北省均県の南部にある名山。太和山とも呼ばれます。漢の時代から多数の道士が修行した山で、道教の聖地です。
  • 見どころ:元・明・清三代を代表する建造物や美術品が点在しています。また、それらのほとんどが、明王朝時代の規模で現存しています。天柱峰の頂上に位置する金殿と、展旗峰のふもとにある紫霄宮が、中国重点保護文化財に指定されています。(柳舘)

ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群

  • 登録年:1994年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:チベット自治区ラサ市にある、チベット仏教の寺院・宮殿。谷から110mの山の斜面に13層の高層建築物、頂上には金殿があります。
  • 見どころ:現在でも、中国各地から巡礼者が集まるチベット仏教の聖地であり、チベット仏教の総本山です。また建築物は、チベット建築の特色をとてもよく表しています。(柳舘)

廬山国立公園

  • 登録年:1996年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:中国文明、その精神的中心地の一つ。仏教や道教、儒教に関する歴史的建造物があります。それらと廬山の美しい景色が融合し、調和をしています。
  • 見どころ:後世に大きな影響を及ぼした芸術家、文筆家、学者を育んでいた場所です。そして仏教、道教、儒教を継続的に研究、解釈を行なうために、寺院は何度も再建と拡張を繰り返されていました。(柳舘)

麗江旧市街

  • 登録年:1997年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:古都麗江は、文化的伝統の調和のとれたの景観を保っている場所です。建造物は、何世紀もの間にもたらされた、多くの文明の要素が融合したものとして知られています。
  • 見どころ:整然と石が敷き詰められた路地と、素朴な町並みが広がる場所です。仏教や道教の仏像もあり、少数民族によって描かれた麗江壁画も残されています。そして古代から使われてきた水道が、現在でも機能しています。(柳舘)

古都平遥

  • 登録年:1997年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:14世紀に建設された都市。漢代の伝統的な面影がよく残っています。都市構造は5世紀以上にわたり、中国の都市計画における典型となっています。
  • 見どころ:明・清朝代にかけて、中国最大の金融の中心地でした。そして大きな特徴として、建造物が銀行と組み合わされている点が挙げられます。(柳舘)

蘇州古典園林

  • 登録年:1997年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:自然景観を縮景のかたちで再現しようとする、中国の古典園林。細やかに設計された園林には、中国文化における自然美の捉え方が表れています。
  • 見どころ:古典園林は、人と自然の調和を理想化した場所です。国王や貴族の狩猟、野菜などを収穫するための施設として建造されました。その後、庭園は学者、元官僚、元兵士、商人などの隠遁生活にも用いられました。(柳舘)

頤和園

  • 登録年:1998年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:北京城西直門より北西に位置する宮殿。築かれて以降200年にわたって拡大され、美しさに磨きをかけてきた「夏の宮殿」です。1869年、英仏連合軍の侵攻によって円明園とともに焼失しました。しかし1888年に再建され、現在の名に改称されました。
  • 見どころ:北側の万寿山と、南側の昆明湖の中に建てられています。丘陵の斜面や湖水の景観、宮殿や邸宅、寺院、橋などが一体となり、調和を生み出しています。また、敷地面積の4分の3が水面にあたります。(柳舘)

北京の天壇

  • 登録年:1995年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:北京市東城区に位置する祭壇。毎年冬至の日に、明・清の皇帝が天地の神を祀り、先祖供養や五穀豊穣を祈りました。1889年に焼失するも、10年後に再興されました。
  • 見どころ:中国人の宇宙観にある天と地との関係、その中で皇帝の果たす特殊な役割を表す象徴です。天壇は円形土台の形を取る祭壇であり、円錐形の天井が三層に重なっている建造物です。他にも周囲にはいくつかの建造物が建てられています。(柳舘)

大足石刻

  • 登録年:1999年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:四川省大足県の県城北方、40数カ所に点在する9~13世紀の仏教石窟、磨崖仏群の総称。895年に最初の仏像がつくられ、290の仏龕、3,000余躯の造像があります。
  • 見どころ:中国においての異なる三つの宗教、仏教・道教・儒教の共生を強調するものです。加えて、制作者たちの芸術性と宗教的な考え、主題の選び方を浮かび上がらせています。また当時の日常生活を、どのように捉えていたかについて触れることもできます。(柳舘)

青城山と都江堰水利(灌漑)施設

  • 登録年:1998年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:紀元前3世紀から8年かけて建設され、現在もその土地の水流を管理する施設。青城山は道教が生まれた地で、数々の寺院に祭られています。
  • 見どころ:灌漑施設の誕生により、安定な水の供給が確保されたことにより、その戸津は一大穀倉地帯へと変化しました。中国歴代王朝は、出来上がった灌漑施設を起点にして、農業地帯も拡大していきました。(柳舘)

安徽省南部の古村落 ─ 西逓・宏村

  • 登録年:2000年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:南安徽省黄山市にある二つの古村。非都市部の伝統的な住居の様子が、広範囲に渡り保存されています。
  • 見どころ:11~20世紀間に建設され、人工水路は、当時のままの完全な姿で残っています。そして典雅な彫刻で飾られた切妻屋根は、芸術性が高く評価されています。また料理、芸術、生活習慣などの伝統文化が現在でも受け継がれています。(柳舘)

龍門石窟

  • 登録年:2000年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:江南省洛陽の南にある、5~8世紀にかけて彫られた仏教石窟群。約1kmの長さにわたり、石灰岩の急な崖に彫られた2300の洞窟や仏龕、10万体以上の仏像に、60の仏塔、2800の石碑があります。
  • 見どころ:龍門石窟は、中国仏教美術の象徴ともいえるものです。表的な洞窟には、古陽洞、賓陽洞、奉先寺洞、万仏洞があります。(柳舘)

明・清朝の皇帝陵墓群

  • 登録年:2000年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:中国史における封建王朝、その最後の二つである明・清朝の皇帝陵墓。風水によって慎重に選ばれた場所に建てられました。
  • 見どころ:伝統文化と独特の建築芸術を組み合わせ、自然との調和がとれた建造物となっています。(柳舘)

雲崗石窟

  • 登録年:2001年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:山西省大同市より西に位置し、全長約1kmにおよぶ仏教石窟群。5世紀中頃から始まり、仏教芸術の宝庫とも呼ばれる中国三大石窟群の一つです。洞窟254、大小仏像約51000体が現存していています。
  • 見どころ:雲崗石窟には、インド、ギリシア、ローマなどの古典芸術の影響を受けた洞窟が多くあります。また後の龍門石窟に影響を与えるなど、仏教石窟芸術初期の傑作とも評されています。(柳舘)

古代高句麗王国の首都と古墳群

  • 登録年:2004年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:紀元前1世紀後半から紀元後668年まで栄えた、高句麗王国時代の遺跡群。三都市に40の古墳群があり、14の王陵と26の貴族墓で構成されています。
  • 見どころ:墳墓の天井部分は、空間を広くとる目的のために、柱の代わりとして重量のある石を載せるという作りになっています。(柳舘)

澳(マカオ)歴史地区

  • 登録年:2005年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:16世紀半ばから中国に返還された1999年まで、ポルトガルの統治下にあった地区。大航海時代のポルトガル文化と、中国文化が混在する街並となっています。
  • 見どころ:多様な宗教文化が栄えた場所です。カトリック、プロテスタント、仏教、道教、媽祖などが現存しています。当時、アジア最大のカトリック教会だった聖ポール天主堂跡は、マカオで最も有名な歴史的建築物の一つです。(柳舘)

殷墟

  • 登録年:2006年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:河南省安陽市に位置し、紀元前1300年頃~紀元前1046年まで後期殷王朝の首都として栄えた都市の遺跡。中国史の文献に残っており、かつ発掘調査によって実証された最古の都城遺構です。古代中国の文化や工芸とともに、青銅器時代の繁栄を伝える場所です。
  • 見どころ:多くの皇族陵墓や宮殿が発掘されています。出土した大量の埋葬装飾品は、当時の手工業が持つ技術力の高さを示しているものです。祭祀用に用いられた牛の肩甲骨や、亀の腹甲などに刻まれた甲骨文字からは、世界最古の書記体系や古代中国の信仰、社会システムの発達を知ることができます。(柳舘)

開平の望楼群と村落

  • 登録年:2007年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:広東省の開平一帯にある、望楼と呼ばれる建造物群と村落。望楼は、堅固な塔状の多層建造物です。家屋、避難所、見張り塔などの役割を持ち、盗賊の襲来や河川の洪水対策のために建てられました。
  • 見どころ:石や日干しレンガ、粘土、コンクリートなどを建材として用いられました。中国明代の伝統建築と西洋の建築様式が融合した、平地方独特の建築様式を見ることができます。華僑文化の一例です。(柳舘)

福建土楼

  • 登録年:2008年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:土楼は漢民族「客家」の伝統住居。古代中国の風水思想を取り入れた、伝統的な集合住宅です。現在でも数百人以上が生活を営んでいます。
  • 見どころ:上方から見ると円形や方形で、数階建ての建物です。外側は土壁で覆われ、入り口は通常一つとなっています。要塞の機能も果たしていました。(柳舘)

五台山

  • 登録年:2009年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:山西省東北部に位置する、葉頭峰を筆頭とした望海峰、挂月峰、錦綉峰、翠岩峰の総称。中国仏教の聖地です。
  • 見どころ:中国四大仏教名山の一つに挙げられる山です。多くの山岳寺院が、中国仏教建築と自然と調和しており、独特の文化的景観を生み出しています。(柳舘)

「天地之中」歴史建築群

  • 登録年:2010年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:河南省鄭州市登封の嵩山山岳に点在する、歴史的建造物。520年~525年に建造された、中国で現存する最も古いれんがの塔です。
  • 見どころ:歴代九つの王朝にわたって建設されました。天地の中心であるという思想や、信仰の中心となる山の力などが、それぞれの建造物に異なる形で反映されています。儀礼、科学、技術、教育のためのものとして建てられ、古代中国建築の代表例とされています。(柳舘)

杭州西湖の文化的景観

  • 登録年:2011年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:浙江省杭州市に位置しています。西湖とそれを囲む三方の丘から構成されています。多くの寺院や仏塔、庭園、鑑賞樹だけでなく、土堤道や人工の島も付加され、より美しい景観となっています。
  • 見どころ:数世紀にわたって中国内だけでなく、日本や韓国の庭園意匠にも影響を与えました。また、自然と人間を理想的な形で融合させるような、数多くの眺望景観を造り出しています。景観を改良するという文化的伝統の例です。(柳舘)

上都(ザナドゥ)遺跡

  • 登録年:2012年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:モンゴル高原の東南端に位置する遺跡。フビライ・ハーンが建設した最初の首都で、後に元朝の夏の首都にもなった都市遺跡です。中国の風水思想に基づく南北軸に則り、建築されました。
  • 見どころ:モンゴル帝国が北アジア全域に勢力を広げた際、フビライの騎馬隊が中国の農業社会を統一し、部分的に農耕文化を融合しました。上都遺跡は、北アジアにおける遊牧と農耕文化との同化を示す例なりました。(柳舘)

紅河ハニ棚田群の文化的景観

  • 登録年:2013年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国
  • 概要:雲南省南部の山間を流れる紅河南岸、アイラオ山麓の急斜面に、ハニ族が1300年にわたって維持してきた棚田があります。そして四つの幹線水路と392の溝が張り巡らされています。
  • 見どころ:一世帯につき2~3区画の棚田で赤米を生産しています。山上の森林には土地の保全、水供給などの役割があります。急勾配の地形を巧みに利用した棚田では、水牛、牛、養殖するアヒル、魚やウナギなどを利用する有機農法を用いています。(柳舘)

シルクロード:長安-天山回廊の交易路網

  • 登録年:2014年
  • 登録区分:文化遺産
  • 国名:中華人民共和国 カザフスタン キルギス
  • 概要:文明発展の一端を担った「シルクロード」の一部。中国の洛陽や長安から河西回廊を抜け、天山山脈の南北を通り、中央アジアのタラス渓谷へと繋がっています。総延長距離が約8,700㎞に及ぶ交易路網です。
  • 見どころ:交易路沿いに点在する宮殿跡、交易拠点、石窟寺院や要塞跡などが登録されました。紀元前2世紀~紀元後16世紀にかけ、文化と人の交流、宗教の伝播に多大な影響力を持っていたことが示されています。(柳舘)