桜美林大学リベラルアーツ学群では、3年次に「専攻演習」という少人数制の演習形式の授業を履修します。この授業は、「教員から専門知識を得るだけではなく、自分で研究・発表し、学生同士で討論しながら学生が作る授業」と位置づけられ、学内では一般に「ゼミ」と呼ばれています。

金子ゼミは、桜美林大学リベラルアーツ学群の「博物館学プログラム」と「地域デザインプログラム」に属し、特に博物館学を専門的に学べる全国でも数少ないゼミの一つです。

博物館学(Museum Studies)とは、広義の博物館(Museum)やその隣接領域を研究対象とする学際的な学問分野であり、その領域横断的な複合性が特徴でもあります。そのため金子ゼミでは、年間テーマを「博物館/文化遺産から社会・地域を読み解く」としたうえで、博物館の実務的な運営論だけにとどまることなく、博物館や文化遺産に関わるより広い領域を対象として研究しています。

研究テーマ

博物館や文化遺産は、いずれも文化を次世代に継承していくために必要とされる社会的な装置といえますが、それらは社会や地域と無関係に存在しているのではなく、その時代の社会的・文化的な状況や歴史的な条件の影響を受けています。したがって、博物館や文化遺産を深く学ぶことは、それらを生み出した社会そのものを知ることにもつながります。

このような問題意識のもと、このゼミでは、博物館学をはじめ、隣接する学問領域の手法を用いながら、博物館・文化遺産と社会との関係を幅広く学際的に探求しています。

ゼミ生たちが取り上げるテーマは、博物館、まちづくり、世界遺産、観光、マンガ・アニメ、テーマパークなど多岐にわたっていますが、領域横断的な複合性を特徴とする学問上の特性もあり、学生は自らの関心に沿って幅広く自由に研究テーマを選んでいます。

こうしたアカデミックなトレーニング以外にも、課外活動として博物館見学会や合宿なども行っていますが、基本的には、文献講読→調査研究→論文執筆という一連のプロセスが例年のゼミ活動の柱となっています。

大学祭での研究発表

金子ゼミでは、ゼミ活動の一環として、2016年から毎年、本学大学祭に出展し、研究発表を行っています(2020・2021年度はオンライン大学祭だったためWeb展覧会として出展)。

ゼミ生たちが話し合ってテーマを決め、解説の執筆や展示資料の選定、チラシのデザイン、設営・撤収、当日の受付・説明などを手分けして担当し、実施しています。学生主体で展示を行うという活動は、研究と実践の両輪を体験できる絶好の機会でもあると考えています。

各回のテーマは以下の通り。

また、本学ウェブサイトのニュースにおいて、下記の通り概要が紹介されています。