大気環境と植物の成長の関係を(株)ユーイング社の”Green Farm”を用いた水耕栽培で調べている.
http://www.greenfarm.uing.u-tc.co.jp/uh-a01e/
大気環境の測定要素は,気圧,気温,相対湿度,照度,二酸化炭素,酸素などである.また,米国バーニア社の”Watts Up Pro”を用いて,”Green Farm”の消費電力を監視・記録している.
水耕栽培の基本設定
・光源:白色LED
・点灯時間:6:00-22:00(16時間)
・排気ファン
・液体肥料エアポンプ
・試験植物:リーフレタス(ジェンティリナグリーン)
実験1:レタスの成長記録その1(予備実験)
・レタス1 開始8日目~11日目
・レタス1 開始12日目~14日目
・レタス1 開始15日目~17日目
・レタス1 開始18日目~20日目
・レタス1 開始21日目~23日目
・レタス1 開始24日目~26日目
・レタス1 開始27日目~29日目
・レタス1 開始30日目~32日目
・レタス1 開始33日目~35日目
・レタス1 開始36日目~38日目
・レタス1 開始39日目~41日目
・レタス1 開始42日目~44日目
・レタス1 開始45日目~47日目
実験1の結果
・レタスの水耕栽培は,蒔種から収穫までの期間が4〜6週間と短く,課題研究のテーマに適している.
・Variable社の「NODE+clima」による気象観測機器は,4・5時間間隔の充電サイクルが気温と相対湿度の測定に影響する.
・バーニア社製の二酸化炭素と酸素センサーは,長期間使用していると値が漸減して,何らかの補正が必要となる.
実験2:日照時間の影響評価
日照時間(上段:06:00〜20:00,中段:06:00〜22:00,下段:06〜24:00)
・試験植物:結球性レタス(グレートレイクス)
・二酸化炭素センサー(VISALA GMT220 Series Carbon Dioxide Transmitters for Industrial Applications)
・pHセンサーとDOセンサーによる養液の監視
レタスの成長記録その2(日照時間の影響評価:14時間・16時間・18時間)
実験2の結果
・発芽後の生長は,日照時間が長い中段と下段が上段と比較して,よいことが確認できた.しかし,その評価法の問題点が認識された.
・各段にはそれぞれ別々の種箱として納品された種子を用いたが,各段の生長の差が種子による違いの可能性が示唆された.
・蒔種後二週間で間引きを実施したが,その後の生長は日照時間の短い14時間の上段も生長がよくなり,日照時間最長の18時間の生長がそれほどよくなくなった.
・日照不足の影響評価が水耕栽培で実験可能であることがわかった.
実験2:レタスの成長記録その1(予備実験)
・レタス1 開始1日目~3日目
・レタス1 開始4日目~6日目
・レタス1 開始7日目~9日目
・レタス1 開始10日目~12日目
・レタス1 開始13日目~15日目
・レタス1 開始16日目~18日目
・レタス1 開始19日目~21日目
・レタス1 開始22日目~24日目
・レタス1 開始25日目~27日目
・レタス1 開始28日目~30日目
・レタス1 開始31日目~33日目
・レタス1 開始34日目~36日目
実験3:光の波長の影響評価
日照時間(上段:緑色セロファン,中段:青色セロファン,下段:赤色セロファン)
レタスの成長記録その3(光の波長の影響評価:青・緑・赤)
・レタス3 開始1日目~4日目
・レタス3 開始5日目~7日目
・レタス3 開始8日目~10日目
・レタス3 開始11日目~13日目
・レタス3 開始14日目~16日目
実験3の結果
・使用した3袋の種子は別々に購入・納品され,各袋で発芽率に差が確認できた.従って,比較実験の際には,種子の条件を揃える必要がある.
・緑と赤のセロファンを貼った上段と下段は,発芽後,葉の生長が細く小さく,茎も細く長い傾向があった.
・青のセロファンを貼った中段は,発芽後,葉が小さく,茎が細く,生長が悪かった.
・実験開始後14日目にセロファンを取り除いた結果,葉は生長がよくなったが,根本の細い茎が自重を支えられない状態となった.そこで.細い根本部分をスポンジで固定した.
・日射量の測定を行った所,セロファンを貼ったことで,日射量が半減していて,減少量は青が大きく,緑と赤は同程度であった.測定結果は日射量センサーの波長特性があるので,正確なエネルギー量とは言えないが,セロファンを貼ったことが,発芽時期の日照不足の影響評価に相当するとも考えることができよう.