本研究所は、2002年4月桜美林大学大学院国際学研究科に老年学専攻修士課程が設置されると同時に、「加齢・発達研究所」として設立され、大学院における教育と研究支援を中心に、充実した研究・教育体制を構築し展開してきました。2008年には、老年学研究科老年学専攻に博士後期課程が設置され、博士学位取得を目指す大学院生の研究活動への支援も加わることとなりました。そして2015年には、世界に類を見ない超高齢社会を迎えた我が国において、より明確に「老年学」という、高齢者を取り巻く広範な課題に適切に対処できる研究機関であることを知っていただくとともに、広く社会一般の方々に「老年学」の総合的な情報発信の中核的機関としても親しんでいただくため、「老年学総合研究所」と名称を変更し現在に至っております。また2022年からは、それまで大学の研究紀要として発刊してきました「老年学雑誌」を、老年学総合研究所の事業として位置づけ、より学術雑誌としての性格を顕著に示していくことになりました。
研究所の研究スタッフは、桜美林大学の専任教員である常勤研究員だけでなく、老年学に関する研究に意欲的に取り組んでいる客員研究員、さらには本大学院修士課程・博士課程修了者のうち、明確な研究課題を有し研究活動を継続する意思のある者を対象とした連携研究員から構成されています。今後もこれまで以上に、学際的かつ多様な視点からの老年学研究を総合的かつ強力に推進することはもちろんのこと、国内外の研究機関と連携し、科学的根拠に基づく情報発信を実施していく所存であります。さらには、研究活動を深化させることはもちろんのこと、研究で得られた成果を広く地域社会へ還元・貢献する事業の展開も今後の課題であると考えています。
今後とも当研究所に対するご支援、ご指導をよろしくお願い申し上げます。
2023年4月
桜美林大学 老年学総合研究所
所長 中谷 陽明