研究


道路環境モデリングに関する研究

 慶應大学における「ITS導入効果およびAHS技術」に関する研究グループに1996年度より参加し、 道路環境モデリングによるITSの導入効果の推定を担当している。 これまでに信号制御、環境ロードプライシング、東京ロードプライシング、ランプ制御、 速度制御などの交通施策を環境面から評価し、その有効性を示した。
道路環境モデリングは、ドイツを中心としたヨーロッパで盛んである。 そこで、1998年から毎年3月にドイツPTV社に出向いて共同研究を実施している。 また、同時にケルン大学、リーズ大学交通研究所、ドイツGMD研究所、アーヘン・フォード研究センター、 フォルクスワーゲン社、英国TRL、インペリアルカレッジなどの研究施設を訪問し、 研究成果を報告し、情報交換を行っている。これまでの成果は日本気象学会、大気環境学会、 日本シミュレーション&ゲーミング学会、モデリングとシミュレーションに関する国際会議(MODSIM)、 都市交通と環境に関する国際会議(Urban Transport)、 大気汚染と交通に関する国際会議(TAP)において発表した。



科学教育分野における研究

システム・モデルを用いた科学教育の研究

 1998年度から2年間、慶應義塾大学理工学部応用化学科鹿園直達教授との共同研究として 地球システム・モデルの開発を行った。この研究はアメリカ、オクラホマ大学のスノウ博士が 中心となって実践している地球システム教育の日本版である。 1997年7月と平成1999年7月には国際会議でスノウ博士と情報交換し、 1999年9月にはオクラホマ大学のスノウ博士を訪問し、講義や演習を見学し、 学生のアンケート調査などを行った。そして、慶應大学での実践やアンケート調査と比較研究した。 この成果は日本気象学会、日本科学教育学会、日本理科教育学会、 日本シミュレーション&ゲーミング学会などで発表した。 現在も文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール研究事業の一環として、研究を進めている。


学校気象ネットワークの構築

 1998年度に松下視聴覚財団から研究助成を受けて、慶應義塾高等学校を中心とした 学校気象ネットワークを構築した。このネットワークを利用して首都圏の中心部(慶應女子高)、 南部(慶應高)、内陸部(志木高)を比較し、都市気候を学習するためのホームページを開設した。 この試みは日本経済新聞にも掲載され注目を集めた。
 この成果は日本気象学会や教育系学会などで発表し、最終的には1999年にオーストラリアで開催された 気象と海洋教育に関する国際会議で世界に向けて参加を呼びかけた。


インターネット天文台の構築

 電気通信普及財団などからの研究助成を受け、慶應高校、東京理科大学、 熊本大学にインターネット天文台を構築し、学会発表や海外からの利用実験を行っている。 例えば、1999年9月には、慶應ニューヨーク学院を訪問し、ニューヨークの午前中に日本の夜を利用して 土星や木星のデモンストレーションに成功した。また、ドイツ、フランスなどからの利用を受け付け、 高い評価を得た。これらの活動は日本経済新聞に掲載された。現在は熊本大学の佐藤毅彦助教授が 研究代表者として科学研究費を受け、ガーナにインターネット天文台を構築中である。 そして、平成15年度4月には慶應義塾大型研究助成(研究代表者 法学部 表實教授)を受け、 インターネット天文台を利用した科学教育カリキュラムの開発に取り組んでいる。


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