☆地震とは何か?
地震は蓄えられていたエネルギーが突然放出されることによって発生する.
このエネルギーは地球内部にプレートの運動による力(歪)が長期間蓄えられたものある.
ほとんどの地震は,地表面から約40kmの深さにある断層に沿って,断層の片側の地盤がもう一方の地盤よりも相対的に速く動いたときに発生する.
この突然の運動は,震源とよばれる地震発生地点から衝撃波(地震波)を全ての方向に伝播させる.
一般に地震といわれる地表面の運動は,こららの地震波によって引き起こされる.
一年間に,人間に感知される規模の地震は数千回,装置によって記録される規模の地震は100万回以上発生している.
強い地震波は広範囲に広がり,大きな災害を引き起こす.
しかし,たとえ弱い地震波であっても遠くまで伝わるので,地震計とよばれる科学的な観測装置で観測することが可能である.
☆地震波とは何か?
地震波とはある地点から別の地点へ,地球内部を通ってエネルギーが伝えるひとつの手段である.
地震学者は異なる種類の地震波についても研究しますが,ここでは二つの種類の波,P(primary)波とS(secondary)波を利用する.
P波は音波と同じ粗密波で縦波,S波はねじれ波で横波に分類される.地球内部で,P波は固体・液体中を伝わるが, S波は固体中しか伝わらないん.
地震の波の速度は一定ではなく,さまざまな要因で変化する.
例えば深さや岩石の種類によって変化する.P波は6〜13km/秒の速さで伝わる.S波はP波より波さが小さく,3.5〜7.5km/秒の速さで伝わる.
☆地震動記録(Seismogram)?
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記録された地震動記録を左に示します.この地震動記録について以下ことを調べます.
- P波の到着時刻
- S波の到着時刻
- S波とP波の到着時刻の差(秒)(初期微動継続時間)
- S波の最大振幅(mm)
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注: この地震動記録は地震シミュレーションによるものです.実際の地震の記録は上の図に比べてはるかに複雑です.
それはP波とS波が地球内部を通って伝わるので,それらの波は核とマントルの境界などといったさまざまな層で反射するからです.
☆どのように地震の震源地を特定するのか?
地震の震源を特定するためには,3つの違う場所で観測された地震動記録を利用する必要がある.
最初にそれぞれの地震動記録について初期微動継続時間(秒)を測定する.(上の図においては,初期微動継続時間は約45秒.縦の線は2秒間隔.)
この初期微動継続時間は震源から観測地までの距離を特定するために用いられる.
地震の震源地は観測地を中心に描かれた円周の上に位置します.この円の半径は震央距離を意味しています.この震央距離は初期微動継続時間を計測することにより得ることができる.
しかし,地震波のやってくる方向は分からないので,3つの観測地におけるデータが必要となる.
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