地震のマグニチュードとエネルギー

目的:地震のマグニチュードとエネルギーの関係を導き出して,巨大地震の起こる理由を理解する.

準備半対数方眼紙

作業

@ 下の表は地震のマグニチュード(M)とエネルギー(E)の関係を示している.この表を元に,半対数方眼紙の普通の目盛りを横軸にしてMをとり,対数目盛りを縦軸にして,Eをとってグラフを描きなさい.

A このグラフは,次式で表される.aとbの値をグラフより求めなさい.

式 log10E=a+b・M


考察

@ 地震のマグニチュードとエネルギーの関係式から,『Mが1だけ大きくなると放出される地震のエネルギーは何倍になるか』を計算せよ.また,M=8の地震のエネルギーは,M=6の地震の何個分のエネルギーに相当するか.

A 地震のマグニチュード(M)とエネルギー(E)の関係と地震のマグニチュード(M)と地震の発生回数(N)の関係を組み合わせて計算すると,マグニチュードがMの地震によって放出される総エネルギー(TE)がもとめられる.すなわち,(1回ごとの放出エネルギー)×(回数)で求めたマグニチュードが,Mの地震によって放出される総エネルギー(TE)は,Mが1だけ大きくなると何倍になるか.

B Aのことから考えて,小さな地震が数多く起これば,大きな地震が起こらないといえるか.

C 最大級の地震のV(地震体積)を,100Km(東西方向)×100Km(南北方向)×30Km(鉛直方向)と考えれば,この体積の中に蓄積しうる限界の『ひずみエネルギー』は何Jになるか.ただし,岩石に蓄積しうる『ひずみエネルギー』は,103 J/m3とする.また,この値と最大級の地震の放出するエネルギーを比較してみよ.


表 地震のマグニチュードとエネルギー
M E
-26.3×10^1
-12.0×10^3
0 6.3×10^4
1 2.0×10^6
2 6.3×10^7
3 2.0×10^9
4 6.3×10^10
5 2.0×10^12
6 6.3×10^13
7 2.0×10^15
7.51.1×10^16
8 6.3×10^16
8.53.5×10^17

エネルギー(E)の単位:J(ジュール)

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