代数学研究室

 

中島 晴久 (Haruhisa Nakajima)

 

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(at Stanford Univ., 2012)

 

桜美林大学・自然科学系 (LA学群・数学専攻)

194-0294 東京都町田市常盤町3758

研究室:理化学館5F ST53

TEL 042-797-9657


研究分野:代数学(及び隣接する幾何と解析)

特に代数群の代数多様体への作用, 特異点, 幾何学的不変式論とその周辺, 代数群の幾何

対称性を持つ構造について研究しています.

 

主な担当科目: 

線形代数学, 代数学, 専攻演習 他


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(plotted with Mathematica; after T. Urabe)

 

数学の魅力・・・・「なぜ」を自ら問い「なぜ」に自分で答えられる

 

数学を暗記の学問だと勘違いしている人が多く見られます. これは大きな間違いです.

数学はその最初の一歩から最後まで, 克明に論理を追って原理的には誰もが理解出来る学問です.

数学の醍醐味は深く厳密に考えて, 全てを追体験することで, 2000年を超える歴史を持つ数学の全てを

わかるかも知れない・・・そして創造することさえ可能だということにあるでしょう.

 

セミナーみたいなものでは?

 

代数学はもちろんですが, LA学群の学生さんが読みたいと思われる数学のテキストならば,

広範囲のものでも, この研究室で研究することが可能でしょう. 相談してみて下さい.

セミナーは輪講形式, 報告者がテキストを読んで来て講義するスタイルで行います.

私との対話(ソクラテスメソッドとか云います)で, 厳密な論理展開や表現法を学ぶのです.

これは数学の学習法として, とても効果があります.

 

「代数学」の講義概要から:

 

2次方程式の解の公式は根号を用いている.

代数方程式の根号のよる解法を代数的というが, 代数的解についてのガロアの研究は、代数学が展開される契機となった.

暗号・符合等の情報理論に代数学の知識が不可欠となり, 応用が拡がっている.

この講義では, 初等整数論において群, , イデアルと云った抽象的代数構造がどのようになっているのかを調べる.

続いて群論・環論・体論の初歩について学ぶ.

教科書改訂に伴い, 合同式が高校数学に導入されているので, 数学の教職を目指す人に代数の知識は不可欠であろう.

数の性質から出発して, 無理なく修得出来るように, 確認の時間を設けて進行する.

概念, 考え方を理解出来るように仕掛ける方法をとる.

 


このような研究をしています:

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10本の論文を選び, そのタイトル(イタリック体で記載)と掲載学術誌(及び出版社)を紹介します.

いずれも英文ですが, ネット(Science Direct (Elsevier), Springer link, etc.)からダウンロード出来るもの(オープンアクセス)もあります.

 

現在一番興味を持っているのは「連結代数群の同次元表現の共変式は自由基底を持つ?」というロシア予想(Kac-Popov conjecture)です.

[2]で正規代数多様体上の同次元トーリック作用を決定した結果, 一般化されたロシア予想のコニカルトーリックケースは終わりました.

ロシア予想 (Russian conjecture) : Kac-Moody代数のV.G. KacV.L.Popovによって1960年代末に提唱され, D. Mumford "Geometric Invariant Theory"改訂版(Appendix I)に掲載.

 

キーワード:"modular invariant theory"; "relative invariants"; "algebraic groups", "toric varieties"; "equidimensional representations"; "reflection groups"; "complete intersections"

 

Selected Publications :

  1. Haruhisa Nakajima ; "Representations of a reductive algebraic group whose algebras of invariants are complete intersections", Journal für die Reine und Angewandte Mathematik (Crelle's Journal), vol. 367 (1986), 115-138, Walter de Gruyter.
  2. Haruhisa Nakajima ; "Reduced class groups grafting relative invariants", Advances in Mathematics, vol. 227 (2011), 920-944, Elsevier.
  3. Haruhisa Nakajima ; "Invariant subvarieties of toric varieties which are local complete intersections", Mathematische Zeitschrift, vol. 203 (1990), 391-413, Springer Verlag.
  4. Haruhisa Nakajima ; "Divisorial free modules of relative invariants on Krull domains", Journal of Algebra, vol. 292 (2005), 540-565, Elsevier.
  5. Haruhisa Nakajima ; " Reductivity and finiteness of pseudo-reflections of algebraic groups and homogeneous fiber bundles", Journal of Pure and Applied Algebra, vol. 217 (2013), 1548-1562, Elsevier.
  6. Haruhisa Nakajima ; "Equidimensional actions of algebraic tori", Annales de l'institut Fourier, vol. 45 (1995), 681-705, Grenoble.
  7. Haruhisa Nakajima ; "Rings of invariants which are hypersurfaces, II", Advances in Mathematics, vol. 65 (1987), 39-64, Elsevier.
  8. Haruhisa Nakajima ; "Relative invariants of finite groups", Journal of Algebra, vol. 79 (1982), 218-234, Elsevier.
  9. Haruhisa Nakajima ; "Regular rings of invariants of unipotent groups", Journal of Algebra, vol. 85 (1983), 253-286, Elsevier.
  10. Haruhisa Nakajima and Kei-ichi Watanabe ; "The Classification of Quotient Singularities Which Are Complete Intersections", Lecture Notes in Mathematics Volume 1092, 1984, Springer Verlag.

文科省補助金 科学研究費(科研費):

     『擬鏡映群の諸相(代数群の正規環への作用, Brauerの三角形)』を含む, 奨励研究(A), 一般研究(C), 基盤研究(C), 合計9課題の代表者

     『代数多様体の理論とその数論・位相幾何への応用 (代表 宮岡洋一)』を含む, 合計5課題の分担者

 

(27/02/2015)