解説
黄褐色や赤褐色のイタリア産の団塊状の石灰岩に、アンモナイトは入っている。大型化石で、誰でもすぐに見分けられるので、ビル石材の化石の中最も目立つものである。
アンモナイトは古生代中頃にその祖先が出現し、中生代に反映して、その末に絶滅した。その当時、アルプス山脈やその南側の地域は深い海で、そこん石灰質の泥がたまり、時折アンモナイトの化石がまぎれこんだらしい。
アンモナイトは軟体動物頭足類に属し、現生のオウムガイに似て、隔壁によって多くの室に分かれ、殻口に近い最終の大きい室に軟体部がおさまる。隔壁と殻表との交戦の構造は進化の過程で役立つが、石材の表面に縫合線がうまく現れるとはかぎらない。殻の中心部に近い断面では、隔壁の形はあまり変化がない。