2019年11/8(金)に生涯学習概論で世界の実物体験ワークショッププログラムを実施しました

本学の授業である「生涯学習概論」の担当教員からの依頼で世界の実物体験ワークショッププログラムを実施しました。今回の学習目的は、約40名のクラスに学習形態の一つである「ワークショップ」について、その教育的異議や効果などを実体験から理解すること。講義形式による学習ではなく、学習者の参加・体験と他の学習者との協働やコミュニケーションによって成り立つ社会構成主義的な学びとは、どのような学びであるのかということを、本プロジェクトのワークショップへの参加よって履修者が自らの体験を通じて学ぶ機会となるよう目指しました。

アンクルンを与えられたグループ。初めて実物を見て戸惑う様子も見られる。

ワークショップの構成

今回のワークショップでは、本学内のいろいろな授業で実施している他のワークショップとの兼ね合いも考慮し、楽器を主なリソースとして取り上げることとしました。小学校5〜6年生以上を主な対象としたワークショップメニューをベースに、2つのアクティビティで構成しました。まず、アイスブレイク(学習者の心身の緊張をほぐし、体験的な活動へと導くための活動)として楽器の音クイズ、そして、インドネシアの伝統楽器のひとつである「アンクルン」の合奏チャレンジです。

①イントロダクション
②世界の楽器の音クイズ
世界各国の「振って」音を出す楽器約30点を素材に、音だけを頼りに楽器を探し出すクイズを行います。参加者は目を閉じ、エデュケーターが鳴らす楽器の音に注意深く耳を傾けます。参加者が会場に持ち込まれた楽器を目にするのはその後です。「先ほど目を閉じて聴いた音はどの楽器から出たのか」参加者はたくさんの楽器をじっくり観察(触れずに見るだけ)して、音の正体である楽器を探し出します。
③ワークショップのねらいの共有
*ワークショップのねらい「国際理解(異文化を理解する)とは」を掲げます。本プロジェクトが国際理解のワークショップで提供している学びのねらいとして、体験を通じた「文化の多様性」、そして「聴く」と「協働」についての理解であることを参加者に伝え、みんなで共有します。
④グルーピング
当日の参加者約40名を3つのグループに分けました。この日のグループは、今後の授業で行うさまざまな活動グループをもとに構成しました。本ワークショップでを通じて、学生間の関係性が構築されます。この日以降、授業内で取り組むグループワークをより活発に生産的なものにすることもねらいとしています。
インドネシアの「アンクルン」合奏チャレンジ
各グループに1セット(1オクターブ分8点)のアンクルンを配布します。アンクルンを演奏しないメンバーは、アイスブレイクの音クイズで使用したさまざまな楽器を自由に使って合奏に参加します。つまり、「全員参加による合奏」がこのアクティビティの課題です。参加者はアンクルンとその他の楽器を使い、グループのメンバー全員で「ドレミの歌」の合奏を制限時間内に練習し、最後には他のグループに合奏を披露します。練習時間にグループの全員がアンクルンを体験し、最終的には誰がどの楽器を担当するか、どのような速さで演奏するか、どのようなリズムを刻むかなど、グループ内で相談します。10分間という限られた時間のなかで、仲間になったばかりのメンバーとアイデアを出し合い、合奏という形にしあげなければなりません。練習時間終了後、グループごとに合奏を披露します。互いにパフォーマンスを鑑賞することにより、そのグループのメンバーが協働して「全員参加による合奏」にどれだけ取り組んでいるか、自分のグループはどうだろうか、自分自身の参加・貢献度はどうだろうかと客観的に振り返ります。
アンクルンを手に取り、どうやって合奏するか考える。
各グループが考えたスタイルで合奏を披露する。

今回の授業では、ワークショップを前半に行い、後半はそれを受けた講義パートとなりました。ワークショップの振り返りは後半以降の授業で、学習形態としての「ワークショップ」がどのようなものなのか深めながら行われる予定です。

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